2016 Fiscal Year Annual Research Report
6~8世紀の日本書道史における書風基準の構築―中韓の文字史料との比較を通して
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15J10990
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
加藤 詩乃 青山学院大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 美術史 / 書道 / 文字 / 東アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
まず国内では、3月に多賀城碑(宮城県多賀城市)及び山ノ上碑、多胡碑(群馬県高崎市)の調査を行った。特に昨年度重点的に調査を行った朝鮮半島や中国各地の作例と照らし合わせると、僅か数年のうちに非常に幅広い時代の書風がみられ、必ずしも時系列には説明できない、当時代独特の状況が浮き彫りとなった。今後、同時代の金銅仏の銘文等とも照らし合わせて、その全貌を総括していきたい。国外では、中国で現地調査を実施し文字資料を収集した。主な調査地は以下の通りである。 1、四川省(8月8日~15日):四川博物院 成都博物館、夾江千仏崖、安岳石刻など 2、山東省(9月3日~9日):千仏崖、雲門山石窟、徂徠山、曲阜碑林、鄒城市博物館、鉄山、崗山、シ博市博物館、博興県博物館、イ坊市博物館など 3、上海市(2月22日~24日):上海博物館 以上各地の博物館、石窟等にて、北魏~初唐時代を中心とした墓誌銘や造像銘などの撮影を行った。特に、四川、山東地域では、書風の地域的特性が色濃く現れており、中原における書風変遷とは異なる側面も大いに看取された。本年度、山東省においては、刻経の作例にみられる雑体書を重点的に調査した。未だ調査の及んでいない地域もあるが、昨年度以降収集してきた文字資料を整理・分析し、中国・朝鮮半島の各時代の書風変遷及び地域的特性を大方捉えることができた。この書風基準を活用し、今後の研究において、日本古代の文字資料の書風を見直していきたい。 研究発表については、筑波大学で開催された『第69回美術史学会全国大会』において「東寺所蔵『真言七祖像』の再検討―その名号及び行状文の執筆者を巡る問題について―」と題した口頭発表を行った。また、韓国での調査研究の一部を「南山新城碑の書風について」(『パラゴーネ』第4号)に掲載した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)