2015 Fiscal Year Annual Research Report
有機ビスマス化合物を用いたクリーン有機合成プロセスの創生
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15J11739
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木挽 洋佑 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ビスマス / 鉛 / 遷移金属触媒反応 / イミン / イソシアニド |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請者は採択課題である「有機ビスマス化合物を用いたクリーン有機合成プロセスの創生」というテーマに対して一年間取り組み、一定の成果を上げる事に成功した。本テーマは有機ビスマス化合物の新たな化学的性質の解明とその合成化学的活用法の開発を目的としており、当初の目的に沿った成果を得た。 申請者は遷移金属触媒存在下において有機ビスマス化合物がトランスメタル化を起こし、遷移金属と炭素の結合を持つ中間体を形成することに着目した。イソシアニド類はこの結合に容易に挿入することが知られているので、トリアリールビスムチンとともに反応に用いたところ、イソシアニドが2分子挿入して連続的なC-C結合形成反応が起こることを見出した。本反応は有機ビスマス化合物のみが起こすことのできる特徴的な反応であり、ビスマス化合物の新たな知見獲得に繋がるものである。申請者はこの反応について詳しく調査し、その結果を学術論文として執筆した。 また、トリアリールビスムチンと類似の化合物であるテトラアリールプルンバンを基質として用い、触媒をロジウムに変更することでイソシアニドが1分子挿入した化合物が選択的に生成することを見出した。両反応の選択性は重金属アリール化物の重金属の種類でコントロールされており、その原因は現在のところ不明であるが、重金属有機化合物の反応性についての新たな知見として興味がもたれる。本成果は現在学術論文として準備中である。 以上のように、当初目的としていた有機ビスマス化合物だけでなく、重金属の有機化合物の知見拡大に寄与する成果が得られた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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