2015 Fiscal Year Annual Research Report
流体の状態に適応する魚型推進方法を模擬した流路内柔軟推進体の制御手法の確立
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15J12246
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山野 彰夫 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 分散制御 / 自励振動子 / 位相方程式 / バイオミメティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ヒルの泳動運動を観測するための観測水槽を製作し,様々な流速の条件下(平均流速:0.09-0.25 [m])でハイスピードカメラにより挙動を取得した.計測データからは,魚類の泳動とは異なりヒルの泳動周波数は流速に依存せずほぼ一定値を保つことが確認された.これより,ヒルは推進速度の変化に対して適応を見せないと考えられる. 2.先行研究で粘性に対して泳動形態を変化させることが報告されているが,その力学的な意味は明らかにされていない.本研究では,数値解析モデルにより力学的な意味の解明を試みた.知覚フィードバックが有効な条件では,流体の粘性が1[cp]と100[cp]の異なる条件下でも最大筋張力が一定になっていることが確認された.ヒルの適応運動は筋負担を一定に保つことに貢献している可能性がある. 3.上記2の結果を踏まえ,ヒルの適応メカニズムを推進体の制御手法へ適用する方法の構築を試みた.まず,ヒルの適応運動メカニズムを,結合振動子の位相に関するダイナミクスで表現する.この位相のダイナミクスの振る舞いに一致するように自励振動子間の結合を設計することで,ヒルの適応運動を再現させることに成功した.提案手法を推進機構への制御手法として採用した場合,アクチュエータへの最大負荷が一定に保たれることが期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予想ではヒルの運動は推進速度に応じて変化するものだと想定していたが,実験結果ではほとんど変化は見られなかった.しかしながら,数値解析モデルによる分析で,うねり運動の波長の変化を伴うヒルの適応運動により,様々な粘度の流体中においても筋負担が一定になることが確認でき,ヒルの適応運動の意義を解明できたと考える. さらに,いくつかの自励振動子の例でヒルの適応運動を再現させる設計手法を構築し,数値解析で有効性を確認できた.これにより,推進体の実験モデルに適応制御則を実装する基礎が構築されたと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度構築した適応分散制御則をもとに,以前提案した自励駆動法を再設計し,形状記憶合金(SMA)アクチュエータの温度制御とアクチュエータの負荷制御を両立した制御則を構築する. 次に,SMAアクチュエータで駆動される配管内小型推進体の実験モデルを製作し,提案した制御手法を実装する. この実験モデルを様々な粘度の流体内で駆動させ,アクチュエータに作用する負荷・泳道運動における波長・推進速度等を計測する.この結果より,様々な粘性の元で泳動形態がどのように変化するかとアクチュエータの負荷が一定に保たれるかを評価する.
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Research Products
(4 results)