2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J40009
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松村 志乃 神戸大学, 人文学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 中国現代文学 / 女性文学 / 王安憶 / 茹志鵑 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度申請者は、茹志鵑と王安憶という中華人民共和国の二世代の母娘作家の関係を検討するという問題意識の下、2本の論文を投稿、国際学会報告1回、国内研究会報告を2回行った。 論文「『新中国』の親子――文化大革命後の茹志鵑小説」(『野草百号記念号』)は28年度に提出したものであったが、諸事情により発行が遅れ、担当者も変わったため、改訂の上再提出した。この論文では、文革後の茹志鵑小説において、親(茹志鵑世代)と子(王安憶ら知識青年世代)がいかに書かれたかを検討した。また、「茹志鵑最後の小説「跟上,跟上」(1991)を読む――王安憶「おじさんの物語」(1990)への応答として」(『現代中国』予定)は、茹志鵑最後の小説「跟上,跟上」を、王安憶の「おじさんの物語」への応答として読み解いたものである。茹志鵑の「跟上,跟上」は王安憶の「おじさんの物語」への応答の試みであると同時に、茹志鵑が「六四」への思いを綴った小説であり、女性老革命家の最晩年の気概が込められた小説だと結論付けた。 中国文芸研究会における5月の口頭発表(国内)では「合評 濱田麻矢『崩れる塔、萎れる花――張愛玲後期作品における愛のかたち――』について」は、濱田論文を批評した。著者は数年来、王安憶を含む20世紀中国語圏文学をジェンダーの視角から論じ、本稿もかかる問題意識から張愛玲の後期作品を論じている。著者の論考を通読し批評する機会を与えられ、筆者自身の研究を再検討することができた。また、日本中国当代文学研究会における口頭発表(国内)「王安憶『髪廊情話』、『臨淮関』について」は、王安憶の近作短篇の代表作を紹介、分析した。さらに、9月に中国の武漢大学で行った口頭発表(国外)「茹志鵑、王安憶作品中的王嘯平」では、茹志鵑、王安憶母子の文学の中に書かれる王嘯平(王安憶の父、シンガポール出身の演出家)について検討を加えた。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)