2017 Fiscal Year Research-status Report
構造的因果モデルに基づく原因を究明するための統計解析法の開発
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15K00060
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
黒木 学 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60334512)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 構造的因果モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度に引き続き、平成29年度は、(1)反事実モデルに基づいた予防割合の定式化とその推定可能条件の提案、(2)回帰分析における実用志向型の変数選択法の開発と因果推論への応用可能性の検討、(3)新たなクラスター分析法の開発と解析結果のビジュアル化および因果推論への応用可能性の検討に取り組み、以下のような結果を得た。 (1)疫学分野において使われているPrevented Fraction(PF)やPreventable Fraction(PaF)を因果推論の立場から問題点を指摘し、それを解決する指標として、 Counterfactual based Prevented ProportionとCounterfactual based Preventable Proportionを提案し、その推定可能条件を与えた。 (2)線形回帰分析における多重共線性問題を回避するために、予測型主変数選択法を開発し、因果効果を推定する際の変数選択問題への適用可能性について検討した。 (3)データの線形関連構造に焦点を当てたクラスター分析法として改良型k-means法を提案し、因果効果を推定する際の共変量探索可能性や共変量調整問題との関連性について検討した。 (4)構造的因果モデルの解説書として「構造的因果モデルの基礎」を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
29年度は、本研究課題に関する論文1本が国際的学術誌に、2本の論文が国内学術誌に採択されるとともに、応用統計学会優秀論文賞を受賞した。また、国内において7件の口頭発表を行い、共同研究者が日本品質管理学会優秀発表賞を受賞した。加えて、構造的因果モデルの解説書として「構造的因果モデルの基礎」を上梓した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、日本品質管理学会テクノメトリクス研究会に参加・議論することで、幅広い学術的視野を本研究課題の研究に取り入れていくように心がけていきたい。また、異分野の研究者との議論をとおして応用分野を広げていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
(理由) 所属機関の異動に伴い、国内学会に参加することを取りやめたため。 (使用計画) 現在、オーガナイザーとして国際会議に参加するための旅費、短期在外研究を実施するための滞在費用、国際学術誌に投稿するための論文校正費用としてしようとすることを考えている。また、昨年度に引き続き、研究を早急に立ち上げる資金として利用することも考えている。
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