2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of statistical analysis for clarifying cause-effect relationships based on statistical causal models
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15K00060
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
黒木 学 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60334512)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 構造的因果モデル / 交通コンフリクト |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度に引き続き、平成30年度は、(1)構造的因果モデルに基づく交通コンフリクト指標の定式化とその推定可能条件の提案、(2)線形構造方程式モデルに基づく統合型条件付き操作変数推定量の提案とその有効性の検討、(3)外的操作による反応変数の統計的挙動の解明、を中心に取り組み、以下のような結果を得た。(1)交通工学分野における交通コンフリクトの定義が因果推論の知識なしには数学的に定義できないことを指摘したうえで,構造的因果モデルに基づく交通コンフリクト指標としてThe Counterfactual Based Conflict(CBC)を提案し、その推定可能条件を与えた。(2)線形構造方程式モデルのフレームワークにおいて、因果効果をより精度よく推定するために、2つのタイプの統合型操作変数推定量を提案し、既存の統合型操作変数推定量との関係を明らかにした。また,品質管理分野への応用可能性についても議論した。(3)交絡因子が同定されているという条件の下で、処理変数に対して外的操作を行った際の反応変数の統計的挙動を明らかにしたうえで、予測モデルの信頼区間を定式化した。(4)医学分野で使われているThe number needed to treat(NNT)を反事実モデルに基づいて再定式化し、その統計的性質および工学分野への応用可能性を検討した。また、NNTと原因の確率との関係について検討した。
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