2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K00152
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
島本 隆 徳島大学, 大学院理工学研究部, 教授 (20170962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宋 天 徳島大学, 大学院理工学研究部, 准教授 (10380130)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 動画像符号化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、既存技術の画面間符号化と画面内符号化技術に加え、クラウドに基づいた新たな高圧縮率動画像符号化システムを提案する。高解像度アプリケーションに対応し、更なる高圧縮率を実現した動画像符号化標準HEVCは、高い圧縮率を実現したものの、依然MC-DCTベースの符号化手法であり、これらの技術のみでは符号化効率の向上が限界に達し、これ以上の改善が見込めない。 そこで本研究は、画面間予測でも画面内予測でも予測困難な画像の特性を抽出し、その特性に特化した新たな参照用画像データベースを構築し、クラウド上の予測画像を参照することにより符号化効率を大幅に向上するアルゴリズムを新規開発し、HEVCより全体で40%以上の圧縮効率を目標とした。 遅れていた進捗状況を取り戻すため、H27年度の計画であった、従来の画面間予測・画面内予測を用いても予測困難なブロックの特性分析、具体的には 1.画面間予測・画面内予測で予測困難なブロックの抽出、2.抽出したブロックの特性分析、3.画像シーケンスの準備を検討し、さらにH28年度の計画であった、周波数分類に基づいたデータベース構築、具体的には 1.データベースの規模を考慮せずに最大限の符号化効率を実現するデータベースを作成、2.既存のデータベースに重複した部分、不要な部分を削除しながら独自の周波数特性により構築したデータを加え、最適なデータベースを構成することを検討した。また、アクセス速度を考慮するため、データベースの最小限のセットを定義することにより、少ないデータをローカルに置き、高い符号化効率とリアルタイム性を両立することも検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度の実施状況報告にも記載したとおり、本科研の採択がH27/10/22、予算執行がH27/12/10であったため、全体としての進捗状況は、申請時の研究計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、先に記述したH28年度までの研究計画の遅れを取り戻すとともに、本来のH29年度の研究計画のデータベースに適した予測データ生成法を考案したい。 具体的には、検証した周波数分類法・構築したデータベースを用い、データベースを効率的に検索できるための高速検索手法、検索結果より選択された複数の候補から最適な候補を選択するための確率モデルの構築等を検討する。また、構築したデータベースに適した予測データの生成法の提案と検証も行う。さらに、このデータベースをクラウドに上げ、実環境での性能評価を行う。現実のネットワーク環境を考慮した実験を行うため、商用のクラウドサービスを利用する予定である。ネットワーク遅延を克服するため、データベースの一部をローカルに置くことや、ヒット率の高いデータをローカルバッファに置くことも検討する。また、実用に向けて特に符号化器のハードウェア実装を考慮した改良も検討する。
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Causes of Carryover |
現在までの進捗状況に記載したように、本科研の採択がH27/10/22、予算執行がH27/12/10であったため、全体としての進捗状況は、申請時の研究計画よりやや遅れている。そのため、物品費や学会参加旅費等、使用予定を少し繰り下げた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遅れ気味の研究計画をカバーできるよう精力的に取組み、コンピュータ等の購入費、国内・国際会議等の旅費、および論文掲載・特許申請料等で使用する予定である。
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Research Products
(17 results)