2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K00338
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畠中 利治 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (10252884)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 進化計算 / 群知能 / 数理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
相反する効果である拡散と凝集からなる複雑な系の偏微分方程式で記述された数理モデルに基づいた進化計算型の計算法を、ブラックボックス関数最適化問題へ適用する場合の、代表点の選択法について検討を行った。その結果、導入した計算法は進化計算と同様の性質を示すことがわかった。この成果から、関数最適化に必要な機能から多点探索の手法を構築することの可能性が示されたと考えている。この成果は、IEEE主催の計算知能に関するシンポジウムで発表するとともに、確率システムの理論と応用に関するシンポジウムのプロシーディングスで発表した。さらに、多次元への拡張可能性について数値実験によって確認を行った。また、必要とする機能から最適化法を構築するアプロ―チとして、一般化群知能モデルを提案し、その性質をベンチマーク問題を用いて調査した。この結果は、Springer社のLNCIシリーズから刊行されたSEAL2017のプロシーディングスで発表した。 これらは、いずれのアプローチも競合と協調のよう相反する効果から構成される計算法であり、進化計算や群知能の基盤を検討する上で有用なモデルとなっている。確率的多点探索法の課題である理論的側面への一定の貢献がみとめられると考えられる。 また、引き続き、代表的な群知能モデルの粒子群最適化(Particle Swarm Optimization, PSO)とホタルのアルゴリズム(Firefly Algorithm, FA)の特性についての検討を進めている。両者の探索メカニズムに関する理解から、有用なハイブリッドアルゴリズムを提案し、複雑なベンチマーク問題を用いて性能調査を行った。成果は、2017年度のACMが主催する進化計算に関する国際会議で報告することを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度は成果のまとめに遅れがあったが、今年度は順調に国際会議報告を重ね、雑誌論文への投稿も行っているため、おおむね順調と評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
投稿済みの論文の内容をさらに進展させることを予定している。 「拡散と凝集からなるシステムの偏微分方程式に基づく多点の確率的探索メカニズム」を用いた関数最適化法では、代表点のサンプリング法に注目しているが、今後はその更新メカニズムを数理的に取り扱うことを目標として、研究を進めていく。このため、MCMCなど関連する数理的手法からヒントを得るため、情報交換を密に行うことを予定している。 また、進化計算の国内コミュニティおよび、有力な国際会議の場で議論をすすめていき、成果を論文として投稿することを予定している。
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Research Products
(8 results)