2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K00395
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
津田 和彦 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (50302378)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 死因究明 / 自然言語処理 / 入浴 / 医薬品添付文書 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,警察官が作成した通報所および監察医が作成した検案調書の内容を,自然言語処理技術を用いて分析することで,死因を特定するまでのノウハウを知識化することを目的として実施している.さらには,知識化した情報から死因究明マニュアルに相当するものを構築することを目的として,実施した. 通報書および検案調書の分析は,テキストマイニング技術を用いて実施する.そのための第1ステップとして,何に対して(対象),何をした(動作)という情報を共起関係として的確に捉える事ができるテキストマイニング技術を確立する必要がある.そのため,通報書および検案調書に記載されている文書の構文構造に着目し,どのような係り受けパターンがあるかについて調査すると共に,その知識化に取り組んできた. さらには,通報書に記載されている情報から通報項目を整理し,属性項目を定義すると共に,属性値を抽出し通報書データベースを構築に取り組んできた.また,検案調書より{所見項目,所見結果,結果の表す意味}の3項目をデータセットとして抽出し,所見知識データベースを構築すると共に,検案調書より{検査項目,検査結果,結果の表す意味}の3項目をデータセットとして抽出し,検査知識データベースの構築にも取り組んできた. しかし,専門用語が予想以上に多いという課題が明らかになった.それゆえ,対象を絞り込む必要が生じた.まずは,医薬品の製品名や成分の専門用語の整理を中心に取り組んだ.次に,入浴時の死亡に絞り込んでデータの分析を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載した計画では,H28年度は,所見知識データベースを構築,検査知識データベースを構築,所見項目見当付知識を構築,検査項目見当付知識を構築,絞込検査項目見当付知識を構築を掲げていた. 現在の進捗は,研究実績の概要に示す通りの進捗であり,厚生労働統計協会が発行する厚生指標にも論文投稿できる進捗があったので,2)の概ね順調に進展している,と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
H29年度は,研究計画書に記載した計画では,所見項目見当付知識を構築,検査項目見当付知識を構築,絞込検査項目見当付知識を構築を完了させることである.この点に関し,専門用語が予想以上に多いという課題が見えてきた.この点を解決する工夫が必要であると認識している.そのため,入浴時の死因究明に特化した形で研究を進めていく予定である. また,H29年度は,本研究成果と,医学書データと対比によるデータベースの検証に着手する予定である.
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Causes of Carryover |
本研究は,死因究明のため東京都監察医務院協力の元実施している.しかし,東京都監察医務院の建て替え工事に伴う研究資料の閲覧ができない期間があり,予算消化に影響した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は,本研究の最終年度であり,本研究成果を積極的に学会発表するための旅費を計上する. また,データ収集のための現地城塞に注力するための旅費を計上する.
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