2016 Fiscal Year Research-status Report
手書き筆記に基づく学習時の思考プロセス理解支援技術の開発と検証
Project/Area Number |
15K00485
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
三浦 元喜 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00334053)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | オンライン筆記 / 手書き筆記 / 筆記の分類 / 筆記再生インタフェース / 多人数学習者筆記 / 学習者の状況把握 |
Outline of Annual Research Achievements |
【手書き筆記に基づく学習者の状況把握】 筆記時間差を用いた弱点検出:制限時間が設定された試験への対策として,正解していても回答に時間がかかっている問題や回答部分を,学習者が認識できるようにすることが望ましい.我々はこうした「回答に時間がかかっている部分」を「学習者の弱点」と定義し,これを発見する手法として,筆記の時間差を利用する方法を提案した.数学の大学入試問題を対象とした実験を行い,提案手法と観測者による判定結果とを比較したところ,5~6割の正確さで弱点を検出することができた. 視認性向上のための筆記ブロック分割法:オンライン手書き筆記を教室内のスクリーンにプロジェクタで投影することで,学習者相互のインタラクションが促進されることが報告されている.しかし,多くの学習者の状況を同時に把握可能にするためには,学習者筆記を部分的に表示する必要がある.我々は,学習者筆記の意味単位でブロック分割する手法を提案した.実験の結果,58%の正確さで正しい意味に分類できることを確認した. 【ディジタルペン筆記共有基盤の構築】 Web技術に基づく筆記共有基盤:ディジタルペンとタブレットを併用して,学習者筆記を閲覧する実践が報告されているが,現状システムでは専用ソフトが必要で,機種混在に対応しにくい.我々はWebSocketを利用し一般的なWebブラウザのみでリアルタイム性の高い筆記共有基盤を開発した.同室内の利用に限らず遠隔講義にも適用できる. 授業映像・写真・筆記コメントを同期表示できる授業評価記録閲覧: 研究授業における授業参観者のコメントについて,授業内のどの部分に対応するかを特定しやすくすることで,研究授業の振り返りを容易にする環境を実現した.画面に表示された筆記コメントをクリックすると,その時点の映像が表示される機能を備えている.システムの試用評価を行い,有用性と問題点を明確にした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度構築した,オンライン手書き筆記分析ツールを利用した研究成果が着実にでている.
|
Strategy for Future Research Activity |
学習者の手書き筆記を活用した研究を推進するために,オンライン手書き筆記分析ツールの改良や高度化と,ディジタルペン筆記の収集・共有基盤の構築を併せて推進していく.
|
Research Products
(10 results)