2017 Fiscal Year Annual Research Report
OBJECTIVE EVALUATION MODEL FOR PENCIL STILL DRAWING IMAGES
Project/Area Number |
15K00496
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Research Institution | Yokohama College of Art and Design |
Principal Investigator |
古性 淑子 横浜美術大学, 美術学部, 准教授 (40312152)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 鉛筆静物デッサン / 主観評価 / 客観的評価モデル / 美術教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉛筆静物デッサン画の評価にあたっては、モチーフとの単なる形状の比較ではなく、モチーフから得られる空気感や質感といった表現が求められる。本研究においては、線形評価モデルを構築し、形状や濃淡といった特徴量を定義し、人間が実際に評価を行うための評価語を参考に、主観評価実験結果と近似するモデルを構築した。本評価モデルにおいて重相関係数0.7程度、主観評価結果と評価モデルによる評価値の相関を得ることができた。これは、主観的な印象をデッサン画の中から画像特徴量として取り出すことか可能であることを示している。 美術教育におけるデッサンは避けて通ることができないが、必ずしも近くに評価者がいるとは限らない。本研究成果は、形状・濃淡に着目した鉛筆静物デッサン画像を評価することで学習者の学習機会のサポートが可能になった。 また視察を行い、過去の著名な作品でも構図の重要さを確認することができ、評価モデルにおいて総合評価を出す場合は単純な線形処理ではなく重み付けの必要性を認識した。引き続き、評価モデルの評価精度を上げる為に、デッサン画からの特徴量を近似できる数式モデルを構築したが、評価精度が上がらない理由として、評価者の評価感覚が一言で美術と言っても、絵画やデザイン・プロダクトなどの詳細な分野によって着眼点の違いが見られることがあきらかになった。全体的な評価尺度を検討し、評価時における主観的な要因の抽出を行い、その後抽出された要因を特徴づける物理的な特徴をデッサン画像から探り、統計的分析手法を用いて主観的な要因との対応づけを行なった。単純に主観評価値を近似するモデルを求めるだけでなく、DCT係数といった画像処理の際に用いられている特徴量なども検討に加え、評価精度の向上を目指している。
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Research Products
(4 results)