2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K00676
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
熊澤 貴之 茨城大学, 工学部, 准教授 (30364102)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域劇場ホール / 住民参画 / 共分散構造分析 / 態度構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
全国の市町村において高度経済成長期に建設された地域劇場ホールは老朽化のため,建て替えが増加している.これまでの劇場ホールは貸館としての役割が強かったが,現在では住民と協働で地域劇場ホールをつくり,運営管理を行うことで,鑑賞者として得られる感覚とは異なる新しい価値が生まれ始めている. そこで,本研究では,住民参画で地域劇場ホールづくりに取り組んでいる茨城県小美玉市四季文化館「みの~れ」の周辺の地域住民を対象に,地域劇場ホールづくりとの関わりの有無によって,住民の態度構造に与える影響要因を把握した. まず,小美玉市の住民に2000部のアンケート用紙をポスティングで配布(1世帯に1部)し,郵送により,300部回収した.アンケート調査で収集したデータに対して,因子分析を行った結果,ホール意識については,参画満足度,参画機会度,芸術文化態度については,芸術文化普及度,芸術文化継承度,地域態度については,地域活動意欲度,官民協働度,居場所形成度,人づくり態度については,社会包摂度の因子によって,意識や各態度が構成されていることが把握された. 次に,共分散構造分析を行った結果,地域活動意欲度が住民参画の地域劇場ホールづくりと社会包摂度に有意な影響を与え,芸術文化継承度へ有意差のある直接効果と間接効果をもたらした.官民協働度は住民参画の地域劇場ホールづくりに強い影響を及ぼし,居場所形成度は社会包摂度に強い影響を与え,芸術文化継承度に向けて,有機的に結合するような住民の態度構造が把握された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年11月までにアンケート調査項目の選定や対象地の調査を実施し,その後,アンケートで収集したデータの分析を実施することができたため,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は,住民参画団体及び管理運営に関与している方々からヒアリングを行うなど,住民参画の地域劇場ホールづくりが住民の態度構造に与える影響を調査していき,公共ホールづくりに役立つ知見を得ていく予定である.
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Causes of Carryover |
当初,論文投稿料及び論文掲載料として支払うことを予定していたが,支払い日時が次年度になったため,これらの使用金額を繰り越した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文投稿料及び論文掲載料として使用する予定である.
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