2016 Fiscal Year Research-status Report
ビッグデータを体感するマルチモーダル構造化インタフェースの構築
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15K00687
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
賀川 経夫 大分大学, 工学部, 助教 (90253773)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / マルチモーダルインタフェース / ビッグデータ / コンピュータビジョン / 可視化技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大量の非構造データを含む画像などの多様なデータに対して,バーチャルリアリティ技術やマルチモーダルインタフェースに関する技術を応用することにより,それらのデータの多様性の中から本質を明確に提示することを目的としている.現段階では,画像診断で利用される医用画像を対象として,画像特徴の可視化だけでなく可聴化,可触化などを応用したデータ提示に関する検討を行っている.しかしながら,当初の構想について十分な成果が得られなかったため,改めて画像の閲覧履歴を利用したVR提示システムの構築を行った.本年度については,以下のように調査とシステム設計を行った. 1.基礎技術に関する調査:データの可視化を行う際にデータを表現する特徴を抽出する必要がある.現行の様々な可視化ツールやそれらの実践的な利用方法,さらに最近の研究動向などの調査を行った.また,ヘッドマウントディスプレイを利用したデータの可視化について調査を行った.さらに,振動デバイスを用いた触覚によるインタラクションに関して検討を行った. 2.閲覧履歴のマルチモーダル提示に関する検討:テストベッドとして作成した画像診断支援ツールにおいて,閲覧履歴(画像ごとの閲覧時間と画像順)を保存する機能を付与し,実際に画像診断を行う医師と初心者である学生に利用してもらった.その結果,多くの閲覧事例を得ることができた.現段階では,その閲覧履歴に関して統計処理を行い,VR技術を応用して閲覧中にそれらのデータを分かりやすく提示する手法を検討している. 3.情報提示ツールの構築:1.や2.の結果を受けて,テストベッドを改造する形で診断支援ツールの構築を行い,論文作成の作業に取り組んでいる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヘッドマウントディスプレイの利用に関しては検討中であるが,統計データより特徴を抽出し,それを視覚以外のモダリティにより提示する手法を検討している.現在では,プロトタイピングを終了し,実際の支援ツールとそれを補助する医療画像データベースシステムの構築に取り組んでいる.また,医工連携を強力に推進しているバレンシアのLe Fe病院を訪問し,医療におけるビッグデータの利用状況やそのための工学的なアプローチについて,見学をするとともに現地スタッフと多くの議論を交わした.現在は,それらの成果を踏まえ国際会議や発表のための論文を作成している.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,以下のように本テーマによる研究を進めていく. (1)実験用システムの構築:医用画像診断支援のための支援ツールと当初の計画である医用画像データベース用VR提示ツールを実装し,実際の診断医師に利用してもらいながら,その効果を検証する. (2)論文等の作成:これまでの成果を論文としてまとめて発表や投稿を行う. (3)今後の展開を検討:実験を通して,画像診断を行うものや学会発表での議論を通して,本科研費終了後の展開を検討していく.
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Causes of Carryover |
前年度同様,当初予定では研究成果を国内外の学会で発表する計画によりその旅費を計上しておりました.しかしながら,当初より期待していた成果を確定的に得ることができなかったために、論文投稿や学会発表の機を逸してしまったために,旅費の利用が計画より少なめとなっております.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在,当初とは異なる視点(閲覧履歴の可視化など)から本テーマに関して再検討を行い,この内容について国際会議での発表が決まっております.また,国内の研究会等での発表と,今年度後半での国際会議での発表を検討しております.そこで、研究に関する議論を進め,国内関連学会論文誌投稿までの目途を立てたいと考えております。
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Research Products
(1 results)