2016 Fiscal Year Research-status Report
小規模多機能ならびに定期巡回随時対応の適正な計画と高齢期の地域居住に関する研究
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15K00765
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Principal Investigator |
井上 由起子 日本社会事業大学, 福祉マネジメント研究科, 教授 (40370952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 洋子 東京家政大学, 人文学部, 准教授 (70573294)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 定期巡回随時対応型訪問介護看護 / 小規模多機能型居宅介護 / エリア / ケアマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
介護を必要とする高齢者の自宅での継続居住を支える中核的サービスとして期待されているのが、包括報酬型の定期巡回随時対応型訪問介護看護(以下、定期巡回)と小規模多機能型居宅介護(以下、小規模多機能)である。両サービスの適切な普及ならびに利用者の居住の安定化を目的に、平成28年度は以下の二つの調査を実施した。 1 デンマーク ファクセ市の訪問介護ならびに訪問看護の実態調査 デンマークの訪問サービスは定期巡回のように一日複数回の訪問が基本でエリア分け含めて効率的なサービス提供がなされている。人口3.5万人のファクセ市の実態調査を実施した。一週間分の訪問介護利用者(952名)のサービス内容とサービス時間分析、一日の訪問スタッフ(47名)の業務分析ならびに移動ルート分析を行った。結果として、①一週間あたり平均3時間35分のサービスを受けていること、②身体介護と生活支援の双方のサービスを提供していること、③ただし、深夜と準夜は身体介護と食事準備に特化していること、④日中・準夜・深夜で市内を1~6エリアに分けて効率的なルート作成を行っていることが分かった。 2 日本 F法人における小規模多機能と定期巡回の実態調査 東京都下のF法人の両サービスについてデータ収集と職員インタビュー調査を実施した。結果として、①定期巡回は平均要介護度2.8、訪問介護からの移行41.2%、訪問月87.9回、通所月3.9回、短期月3.8回、②小規模多機能は平均要介護度2.5、通所介護からの移行40.0%、訪問月30.3回、通所月13.9回、泊まり月2.9回であり、利用形態に大きな違いがあった。1拠点で双方のサービスを提供しているため、責任者が機能分担を意図的に図っていた。定期巡回については、ケアマネジャーとの連携が支援の質を左右しており、定期巡回にその連携力が求められていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はデンマークの調査を予定どうり実施し、分析を3月末までにほぼ完了させた。日本については、東京都下のF法人にて調査を実施し、分析を3月末までに完了させた。F法人の調査で調査方法が確定され、29年度も5月と6月に調査実施をフィックスさせており、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の介護報酬改定に向けて、定期巡回と小規模多機能の統合を前提としたサービス体系の制度化が検討されている。これを踏まえ、平成29年度は双方のサービスを実施している3か所の事業所で、ヒアリング調査において追加項目として、両サービスの統合についての意義と課題について、を組み込む。
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Causes of Carryover |
デンマーク調査費用が予定額より抑えられたこと、国内視察費用を大学個人研究費で賄ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
754,621円の次年度使用額が生じているが、分析費用(インタビュー調査のテープ起こし、イラストレーターによる地図データ作成)が予定以上にかかっているため、この費用に充当する。
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Research Products
(2 results)