2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of LMS corresponding to iterative learning type and its analysis of learning time
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15K01092
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
渡邊 博之 日本大学, 工学部, 教授 (40147658)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | クレペリン検査 / 作業量 / 脳波 / 利き手 |
Outline of Annual Research Achievements |
クレペリン検査,IQテスト,SPIなどは一定時間内の作業量の多さと,誤りの少なさから適性や能力を検査するものである。一定時間内の作業量の多さなどを解明することは,工学教育の分野における能力の違いのメカニズムを解明する上でも有用である。そのためには,対象とするテストの種類が問題となる。中でもクレペリン検査は,単純加算の繰り返し作業であるため,計算時の集中と回答後のリラックスが交互に現われるモデルの一つとなっている。リラックス時にはα波,集中時にはα波が減衰してβ波が相対的に多く現われるため,脳波と脳の活動部位から作業量の多さのメカニズムの解明が期待できる。 本論文では,クレペリン検査の作業量として回答数の多さなどを,α波とβ波の各帯域におけるパワーの含有率の比(Cα/Cβ)を用いることによって解明することを目的としている。また,Cα/Cβと回答数との関係は利き手による影響,及び男女差による影響について検討している。分析の結果,利き手や男女差に依らず左脳ではCα/Cβの値が1.0に近い,すなわちリラックスと集中のバランスが良いほど,回答数が多いことを明らかにした。また,右利き男性は左脳のみ活動的であり,論理的思考のみで計算していることを明らかにした。これに対して,両利き男性は左脳と右脳をバランスよく使いながら作業することにより,回答数が多く,誤答数が少ないことを明らかにした。両利きは日常生活で両方の手を使うため,右脳も鍛えられ,空間的思考の右脳も活動的になると考えられる。最後に,右利き女性は男性に比べて脳梁が太いため, 左脳と右脳を全体を通してバランス良く使いながら作業することにより,両利き男性のように誤答数の少ない作業が行われることを明らかにした。また,Cα/Cβと回答数とを回帰直線で表したとき,傾きが男性に比べて小さいことから,回答数が少ないことを明らかにした。
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