2016 Fiscal Year Research-status Report
東アジアにおける文化遺産としての鉱山景観のマネジメント
Project/Area Number |
15K01134
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
波多野 想 琉球大学, 観光産業科学部, 准教授 (60609056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 正樹 琉球大学, 観光産業科学部, 准教授 (90609801)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 鉱山景観 / 光陽鉱山 / 始興鉱山 / 金瓜石鉱山 / 瑞芳鉱山 / 産業遺産 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年度の成果および進捗状況を踏まえ、韓国および台湾を対象とした海外調査、および石見銀山におけるインタビュー調査を実施した。 韓国においては、韓国側情報提供者による情報に基づき、光陽市に所在する光陽鉱山の現状、および光明市に位置する始興鉱山の観光地化について調査を実施した。光陽鉱山の遺構としては坑口・坑道跡のみが残されていた。それは文化財指定(国家指定、市道指定)や登録がされておらず、坑口の側に元鉱夫が設置した石碑(「光陽鑛山本亭坑事跡碑」)があるのみである。一方で、始興鉱山は、光明市によって坑道の再利用が進められテーマパーク(「光明洞窟」)として2011年に再生した。同坑道内の大半は芸術作品や観賞魚の展示にあてられており、その点に韓国における産業遺産活用の特徴を見出すことができる。 台湾では、金瓜石鉱山および瑞芳鉱山において、鉱山遺構の立地および管理の現状について現地調査を実施した。両鉱山ともに日本統治時代に建設された施設の一部が文化財に指定/登録されており、文化遺産化が進んでいることが判明した。金瓜石鉱山は新北市立黄金博物館の管理下にあり、これまでに多くの歴史研究や景観マネジメントに関する研究が蓄積されてきた。しかし地域住民の文化遺産に対する認識や社会空間に関する調査研究は一切されてこず、平成29年度に実施する必要があることが判明した。また観光地化が進んでいる瑞芳鉱山では、鉱山遺構の存在は観光客にとって二義的であり、こちらについても金瓜石鉱山同様の調査研究、さらには観光客を対象にした調査も必要であることが理解された。 島根県の石見銀山では、大森町の住民を対象にインタビュー調査を実施し、平成29年度実施予定のアンケート調査のために基礎資料を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度実施が遅れていた部分の正常化を図ることができた。しかし石見、金瓜石、瑞芳における調査の一部(アンケート調査)については現地機関との調整に予想以上の時間を要し、現段階では平成29年度6月から7月にかけて実施することを予定している。そのため、「やや遅れている」と判断せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度6月から7月にかけて、石見、金瓜石、瑞芳においてアンケート調査およびインタビュー調査を実施することで、鉱山集落の地域構造の現況を把握する予定である。また、韓国「光明洞窟」の活用に対する考えや今後の方針などについて、平成29年5月に同施設の館長に対して聞き取り調査を実施する予定である。韓国の鉱山は本研究の主要対象ではないものの、今後の東アジアにおける鉱山景観のマネジメントを考える上で、必要なデータが得られると考え、調査を実施することとした。 さらに、今年度は台湾において、現地の研究者と研究交流を行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
石見、金瓜石、瑞芳における現地調査の一部が、現地機関との調整の遅れもあり、平成29年度に実施することとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
「次年度使用額(B-A)」はその大半が、石見、金瓜石、瑞芳における現地調査にあてられる。
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Research Products
(2 results)