2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K01189
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤本 昌志 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (70314515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渕 真輝 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (20362824)
松本 宏之 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), その他部局等, 教授 (50559226)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 衝突予防 / 漁船 / 航海情報 / 危険の認識の相違 / 海上交通法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦のインフラとして非常に重要な海上交通路における大型船舶と 小型漁船との航行上のコンフリクトを解消するために、本年度は、水先免許更新講習受講者39名、外航職員33名、内航職員18名、小型船舶免許更新講習受講者170 名、漁業従事者145名(小型船舶免許更新講習受講者18名、大阪湾泉州8名、鹿児島3名、山口県関門海峡付近40名、山口県日本海側76名、兵庫県香住3名)の計408名に対し、アンケート調査を実施した。当初から予想されたことであるが、漁業従事者へのアンケート調査は、動員、説明等かなりの困難が生じた。幸いにして、当初の予想より多い145名もの回答を得ることができたことは大きな収穫であった。 その結果、夜間において、前後部マスト灯の水平間距離が極端に狭い船舶が、夜間において横切り関係にある場合には、角度のある横切り関係であっても、真向かいに近い横切り関係であると誤認されるという特徴が明らかになった。この結果については、日本航海学会英語論文集に投稿中である。また、漁船の避航動作について、当初予想されたとおり、かなり近距離まで危険を認識しないことが明になった。中には、大型船の全面を通過する、まったく避航しないとの回答もあり、漁業従事者について、更なる調査の必要性があることが分かった。 大型船舶の操船者の漁船に対する回答と漁船の状況をつきあわせることにより、問題点として、危険の認識にギャップがあることが明になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定とおり、アンケート調査が実施でき、また、漁業従事者に対するものについては、予想以上に多い145名もの回答を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
漁業従事者の危険の認識時期と大型船舶操船者の危険認識時期にギャップがあることが明になったので、引き続き漁業従事者への聞き取り調査の実施を予定。また、紙ベースでは実際の感覚が実感できなことから、操船シミュレータ等を使用して、漁業従事者への大型船舶の操縦特性等を理解してもらうための実験を予定。 実験結果からコンフリクトを取り除くための方策を検討する。
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Causes of Carryover |
人件費について、予定した額より過小となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の人件費として使用予定。
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Research Products
(4 results)