2015 Fiscal Year Research-status Report
車両の消毒活動を考慮した交通流シミュレーションの開発とそれに基づく設置点の検討
Project/Area Number |
15K01232
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
梶田 佳孝 東海大学, 工学部, 准教授 (30284532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 近士 宮崎大学, 工学部, 教授 (70117175)
吉武 哲信 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70210672)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口蹄疫 / 消毒槽 / 交通流シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、車道上に設置する車両消毒槽を対象に、通行の安全性と走行性を確保できる消毒槽通過時の自由走行速度と減速度を分析する。さらに、それらを組込んだ交通流シミュレーションを構築し、主要道路に設置した場合の設置道路の滞留長を分析し、滞留長を許容範囲に収めることのできる設置候補ポイントを抽出することを目的としている。今年度は、まず、消毒槽利用時の走行特性の分析を実施した。研究対象の宮崎県では、車両消毒は①消毒槽(全車両対象)、②消毒噴霧(全車両対象)、③流下式消毒(全車両対象)、④噴霧式消毒(畜産関係車両)、⑤消毒マット(全車両対象)の5つの方法で実施された。県内の消毒ポイント設置・実施に関係した行政機関を対象に実施した国道及び県道での消毒ポイントの設置に関する調査結果を用いて、各消毒方法の消毒の所要時間を分析し、③⑤①②④の順に平均所要時間が短いことを確認した。また、消毒方法5種類のうち、④は畜産関係車両のみを対象とするため効果が限定的であり、②は幹線道路での消毒としては所要時間が大きすぎる、③は垂れ流しのため、消毒液が周辺環境に大きな影響を及ぼすため、幹線道路の消毒としては①消毒槽と⑤消毒マットが考えられることを確認した。次に、口蹄疫発生地区周辺の幹線道路のネットワークを構築し、上記の平均所要時間と道路交通センサスのデータを用いて、移動制限区域(10km)、搬出制限区域(20km)の幹線道路上に消毒槽及び消毒マットを設置した場合の交通流シミュレーションを実施した。次に、消毒能力の高い消毒槽を対象とした走行実験に向けて、実験候補地である常設消毒槽の2箇所の視察を行い、走行実験の機材の設置や準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の実施予定の内容は走行実験実施を除いて、ほぼ実施できた。走行実験に関しては、協力機関との十分な打ち合わせが必要であり慎重を期すために次年度の作業としたが、当初の計画でも想定していた。また、次年度、実施予定だった交通流シミレーションの作業を前倒しで実施したため、全体の計画としては、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者の1名が実験場所の近隣に所在し、実験の実施に関して、関係協力機関との十分な打ち合わせを行うとともに、研究組織3名は、インターネットなども含め、定期的に連絡し、研究準備、研究調整を十分に行う。
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Causes of Carryover |
走行実験を翌年度に実施すること行うことになったため、そのための経費が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実施できなかった走行実験を翌年度実施し、翌年度実施予定だった交通流シミュレーションに関する分析も含めて使用するとともに、未発表の今年度成果の学会発表(国際学会も含む)も追加して行う。
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