2016 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中片麻痺者が立ち上がる際に股関節内転筋は有効に利用されているのか?
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15K01422
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
滝澤 恵美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (70325976)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 股関節内転筋 / 股関節伸展筋トルク / 大内転筋 / 体幹角度 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】脳卒中片麻痺者を想定して体幹角度を変化させてスクワットを行い,その際の大内転筋の力発揮の特徴を調べ,立ち上がり動作における股関節内転筋の役割について検討した。【方法】健常若年男性10名を対象に,体幹を垂直位にしたスクワット(Task 1)と自然に体幹を屈曲させるスクワット(Task 2)を行った。身体分析点の3次元座標値と床反力から下肢の関節トルクを求めた。片側下肢34筋の筋骨格モデルを構築し、関節トルクを満たす各筋の筋張力を数値最適化計算で推定した。筋トルク(Nm)と筋張力(N)は対象者の体重(kg)で正規化し平均値を求めた。【結果】両タスクのスクワットの全体を通して,大殿筋と大内転筋はより大きな股関節伸展筋トルクを発揮した。股関節と体幹の屈曲角度が増大したスクワット(Task2)では,半膜様筋の伸展筋トルクが特に増大した。スクワット中の筋張力の平均値(N/kg)は,Task1とTask2でそれぞれ,大内転筋は1.8(N/kg)と2.1(N/kg),大殿筋は1.1(N/kg)と2.3(N/kg),半膜様筋は0.2(N/kg)と2.4(N/kg),半腱様筋は0.04 (N/kg) and 0.3 (N/kg),大腿二頭筋長頭は0.05 (N/kg) and 0.8 (N/kg)だった。いずれの課題においても,大内転筋の筋張力発揮のパターンは台形,他の股関節伸展筋は放物線上だった。【結論】スクワット時には股関節内転筋群である大内転筋では,体幹角度に関わらず大きな伸展トルクを発揮することが示された。立ち上がり動作において一部の股関節内転筋は抗重力的に関節を駆動させるために利用されていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
筋線維の分析を行う予定であった施設(海外)で組織改編がありLabが解体されたため,機器の利用が困難な状況である。 筋のサンプリングについては研究条件に合う(脳卒中片麻痺と推定される)cadaverを得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーション解析および,論文投稿を進める。筋線維の分析については,改めて移動した関係者に連絡をとってみる。
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Causes of Carryover |
筋線維を分析するために渡航予定だったが,実現できなかったため旅費ならびに分析のための人件費を利用しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の論文発表,国際学会発表等の成果報告に利用する予定である。
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Research Products
(2 results)