2015 Fiscal Year Research-status Report
国際的に活躍したバスケットボール審判員における審判技術の実践知に関する質的研究
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15K01594
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
鈴木 淳 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (40304696)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 質的研究 / 実践知 / 概念モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、バスケットボールにおいて国際的に活躍した審判員か有するゲームコントロールに関するコツを質的研究の手法である SCAT (Steps for Cording and Theorization)から得られた「語り」を手かかりに知織化することによって、審判員および指導者育成に役立つ知見を実践現場に提供する段階をめざすものである。 平成27年度は、審判員一名のインタビュー調査、定性的コーディングを行い、ストリー・ライン、理論記述を終えた。その結果、ゲームコンロールに必要な要素として、「コミュニケーション力」「技術の理解」「戦術の理解」というコアカテゴリーを得ることができ、概念モデルを提示することができた。 「技術の理解」「戦術の理解」によって,「先を見通した笛」が可能になり,観客の面白さにつながるゲームコントロールが可能になる。 また、「技術の理解」「戦術の理解」に基づいたバスケットボールによって「正しいバスケットボール」をさせることが可能になり,チームや選手の能力を発揮させることによってゲームコントロールが可能になることが分かった。 また、「技術の理解」「戦術の理解」には「コミュニケーション力」が大きな影響を及ぼしたことが分かり、審判員は日常生活の段階から人とどのように接するかが問われ、それがチームや選手とどのように接するかに影響を及ぼすのみならず、審判員としての能力形成に大きな影響を及ぼすことが示唆された。 一名の審判員の概念モデルを提示することができたことから、今後平成28年度以降に行う2名の審判員のインタビュー調査結果と合わせて、球技の指導現場にゲームコントロールを発展継承する有益な知を導き出すことが出来たのではないかと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的を達成するために4つの課題を設定した。1)ゲームコントロールに関するアンケート調査、2)ゲームコントロールに関する映像を用いたインタビュー調査、3)実践 知の解釈、4)実践知を知識化し公開するである。 1)については3名の審判員について全て完了し、2)については1名の審判員のみ完了している。平成27年度は2)まで完了する予定であったが、調査対象者のスケジュールの問題から2名の審判員についてインタビュー調査が完了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的を達成するために設定した4つの課題の内、残り2名のインタビュー調査、実践知の解釈を進める予定である。調査対象者とのスケジュールを調整することで、インタビュー調査は実施することが可能である。
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Causes of Carryover |
3名の審判員にインタビュー調査を行う予定だったものが、平成27年度は1名の審判にのみ実施した。その結果、インタビュー調査にかかる旅費、テープ起こしの支出がなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実施予定であった2名の審判員に対してインタビュー調査を行う。その際に旅費が必要となる。また、インタビューの発言内容を文章化する際の経費が必要となる。
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