2015 Fiscal Year Research-status Report
長期にわたるスポーツトレーニングの心理的影響の要因分析
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15K01604
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Research Institution | Tokyo Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
阿江 美恵子 東京女子体育大学, 体育学部, 教授 (30192842)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子どものスポーツ / 指導理念 / 早期教育 / ヨーロッパのスポーツ教育 / 調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子どものスポーツへの専心を影響を明らかにするとともに、スポーツだけでなく他の才能の育成とのバランスのありかたを、ヨーロッパの国々のシステムを調べて明らかにすることを目的とした. 平成27年度は以下の研究活動を実施した. 4月にローマで開催された国際スポーツ心理学会50周年記念国際セミナーで研究発表し、子どものスポーツ環境に関して関連するヨーロッパの研究者とコンタクトをとった. 9月から10月にかけてドイツのフリードリヒ=シラー大学を訪問し、タイペル教授、ケンパー教授からドイツのスポーツ教育に関する情報を得た.大学での指導者育成に関しては、指導者と研究者のコースが明確に分かれていた.子どものスポーツトレーニングに関しては、総合的な発達の観点が強調されていた. 平成28年2月にイギリスのラフバラー大学を訪問し、トレーニング施設を見学するとともに、ヨーロッパのコーチング理念に関する資料を得た.2次元的なコース選択ではなく、年齢、能力、目的の3次元でスポーツトレーニングを考えており、スポーツ指導者はそのことを十分に理解して指導しなければならないことが強調されていた.資料はこれから読み込んでまとめる予定である. 日本の体育系大学生を対象に、過去のスポーツトレーニングに関する調査を実施した.対象者は400名ほどであるが、とくに小学生時代のトレーニング状況から、早期に単一種目に特化したトレーニングを実施した経験を持つものの割合を明確にし、次の研究段階への手がかりを得た. 本年度は、初年度としては多くの研究活動を実施し、多くの資料を得ることができたのが最大の成果であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた海外資料収集が順調に実施できた.国内の調査も実施できて資料を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、日本国内で特定種目に力を注いでいる地域の理念を明確にし、実施による問題点などを探る予定である.また、昨年度多くの資料を収集したので、それらを読み込んでまとめる予定である. スポーツ心理学の視点では、早期教育による発達の偏りは大きな問題である.スポーツ指導でどのように子どもの能力を開発するかについて、指導者教育に資する理念、研究結果を明確にしたいので、必要であれば追加の資料収集を行う.
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