2016 Fiscal Year Research-status Report
腸内細菌叢プロファイル変化に対応した食物由来成分による心血管内皮傷害予防法の開発
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15K01717
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
馬渡 一諭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 講師 (40352372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下畑 隆明 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (90609687)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腸内微生物叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
高脂肪食を齧歯類動物モデルに投与することで、血管内膜の肥厚や血管内皮機能(イージーマグヌス装置を用いた内皮依存性弛緩反応)の低下がみられる食餌誘導性の動脈硬化初期病変モデルを作成した。このモデルの糞便中のDNAを精製し、特異的オリゴDNAプライマーを用いてPolymerase chain reaction(PCR)により細菌数の相対量を評価すると、高脂肪食投与群では通常食投与群と比較してBacteroidetes門細菌には違いはなかったが、Firmicutes門細菌が有意に高かった。さらに、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(Denaturing gradient gel electrophoresis, DGGE)法により細菌叢の変動を評価すると、有意な変動が確認できた。現在は食物由来成分の投与により、腸内微生物叢が変化するか、また、腸内微生物叢の変化がもたらす低分子代謝産物が変化するかを評価し、心血管内皮機能への影響を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに食餌誘導性の動脈硬化初期病変モデルを作成し、このモデルが対照群と比較して腸内細菌叢及び腸内低分子化合物がしていることを確認してきた。特異的PCRや変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)法による腸内細菌叢の評価系の確立に時間を要したことと、時間飛行型(Time-of-Flight)質量分析装置(TOF-MS)を用いた低分子化合物の変動を測定する実験系の確立に時間を要し、研究の進行が遅れている。これらの評価系が確立したため、今後はさらに速度をあげて研究を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
食物由来成分投与による腸内微生物叢の変化がもたらす低分子代謝産物の変動の評価を行うために、液体クロマトグラフィー(LC)やキャピラリー電気泳動(CE)とTime-of-Flight質量分析装置(TOF-MS)を用いた腸内及び血中の低分子化合物の検出及び同定する。主成分分析など多変量解析を用いて、食物由来成分の介入と腸内微生物叢の変動、血中及び腸内低分子化合物の変動を解析し、血管内皮機能に影響を及ぼしている可能性のある微生物または化合物の候補を抽出する。さらには、これらの細菌または化合物を動物モデルまたは培養血管内皮細胞に投与し、内皮機能への関与を評価する。
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Causes of Carryover |
The 90th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology(平成29年3月19~21日開催)が平成28年度末であったため、本会に参加した旅費の支払いが次年度に繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越額は平成29年度の早期に支払いを完了する予定である。
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Research Products
(2 results)