2017 Fiscal Year Research-status Report
サルコペニアの予防をめざす:加齢による筋タイプⅡ線維の萎縮防止の分子機構の解明
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15K01735
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
山路 純子 (田代純子) 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 准教授 (40340559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 彩子 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (20298772)
廣島 玲子 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 准教授 (40404777)
森 禎章 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (70268192)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ミオシン重鎖 / サルコペニア / 筋萎縮 / 分子生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋の萎縮予防(サルコペニア、廃用性筋萎縮症等)や、遅筋や速筋の発現や骨格筋肥大の分子メカニズムの解明を目的として、平成29年度においては、培養細胞株を用いた骨格筋ミオシン重鎖アイソフォームや骨格筋関連因子の発現に対し、筋関連細胞内シグナル伝達との分子メカニズムの解析、また、筋関連細胞内シグナル伝達と天然化合物等の機能因子との関連の解析、それらとミオシン重鎖アイソフォーム発現の分子機序の検討を進めた。特に、遅筋や速筋の分化に対応するミオシン重鎖アイソフォームの発現に対し、生理活性因子とそれらを含有する天然化合物等の機能因子の作用について、分子生物学的手法を用いた検討を進めた。実験材料には骨格筋芽細胞C2C12細胞を使用した。C2C12細胞は培養液中の血清を減少させることにより分化誘導をかけることが出来る細胞株である。ミオシン重鎖アイソフォームのmRNA発現の解析に定量PCR法(Taqman probe法)を用いて解析した。 これらの結果、(1)長鎖不飽和脂肪酸の一部は、ミオシン重鎖タイプI/IIの発現調節に関わること、(2)それらには①カルシニューリンシグナルを介するメカニズムを主とする筋線維、②骨格筋由来インターロイキン6を介するメカニズムを主とする筋線維、とミオシン重鎖タイプの発現のしくみが分かれる可能性があること、また(3)ミオシン重鎖の発現に対しカルシニューリンシグナルのアゴニスト・アンタゴニストを用いた実験結果より、一部PKAシグナルを利用するしくみがある可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度の研究計画において薬剤を用いた実験結果より、ミオシン重鎖のアイソフォームの発現機序の解析で追加して考慮する必要のある因子の知見が得られ、実験計画の変更が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進策として、ミオシン重鎖のアイソフォームの発現機序において、一部追加して考慮する必要のある因子が示唆されたため、関連ペプチドや天然化合物等のアゴニストや阻害剤を用いた実験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額の493,217円については、平成30年度の研究計画(推進方策欄)に使用を予定している。内訳は、物品費として493,217円(細胞生物学実験の試薬消耗品・器具類・研究関連消耗品に150,000円、分子生物学実験の試薬消耗品・器具類・研究関連消耗品に200,000円、実験動物やその研究関連消耗品等に143,217円)を予定している。
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