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2017 Fiscal Year Annual Research Report

The parole as archi-ecriture of the body to support sign language to Deaf children - the significance of the Deaf childcare professional as a cultural environment

Research Project

Project/Area Number 15K01759
Research InstitutionKagawa University

Principal Investigator

西岡 圭子 (西岡けいこ)  香川大学, 教育学部, 教授 (10237670)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsろう幼児教育の手話 / メルロ=ポンティ / デリダ / 現象学的記述 / 身体的パロール / 遊びの環境構成 / 原エクリチュール / 絵画表現的身体
Outline of Annual Research Achievements

手話に堪能な成人ろう者がろう学校幼稚部に勤務することは珍しくはないが、聴者の補佐役を期待されてであることが多い。近代学校教育の重点課題が音声言語の「表音文字」の教育であることを背景にろう教育も聴者が主導すべきだと考えられがちだからである。抗して「手話言語学」を論拠に「ろう文化」を主張する「手話言語条例」の制定が全国各地で推進されていくが、「ろう文化」の中核として示される手話はろう者集団内で生育しなければ体得できない繊細な言語であり、一般的な聴者には敷居が高い。こうして「聴者」対「ろう者」、「音声言語」対「手話言語」、と二項対立する社会状況があり、学術的研究はどちらか一方の側に立ってなされるのが一般的であるが、本研究は、対立図式を越える第三の方途をデリダ的「エクリチュール」の発想から模索した。
「手話言語学」は手話を言語と認めた功績を云々するが、依拠した言語学とは西欧形而上学が絶対的ロゴスを一方向的に伝達しうる媒体として音声的パロールを尊重した「音声中心主義」の学であることから、「手話には文字がない」と判断した。だが、ロゴス的パロールの只中にも時間的他者たちとの限りない意味生成を開く「エクリチュール」の胎動を見て西欧形而上学を脱構築したデリダ、さらに彼に先立つメルロ=ポンティの、「エクリチュール」の可能性の条件を間身体性に見いだす姿勢に依拠すれば、手話こそ、人間的パロールの「原エクリチュール」のありさまを集約的に開示している言語である。本研究はこの視座から複数のろうの保育者のふるまいの現象学的記述を行い、成人ろう者がろうの乳幼児に必要不可欠な文化的環境であることの自明性を論じた。その内容は同時に、聴者対ろう者の区分の手前の水準で、およそわたしたち人間のおとなが言語で分節化され常に新たに更新される世界に子どもを導いていく原型的ありさまの提示に他ならないのである。

  • Research Products

    (4 results)

All 2018 2017

All Presentation (2 results) Book (2 results)

  • [Presentation] 絵画的身体の最初のパロール―成人ろう者がろう児に物語るありさまから考察する―2017

    • Author(s)
      西岡 けいこ
    • Organizer
      日本倫理学会
  • [Presentation] Sろう学校幼稚部の実践にそくして考える 「 課題研究Ⅲ 幼児教育におけるナラティブ・ラーニングの検討」2017

    • Author(s)
      西岡 けいこ
    • Organizer
      日本教育方法学会
  • [Book] 『メルロ=ポンティ読本』2018

    • Author(s)
      松葉祥一・本郷均・廣瀬浩司 編
    • Total Pages
      420頁
    • Publisher
      法政大学出版局
    • ISBN
      978-4-588-15092-0
  • [Book] 画像と知覚の哲学 - 現象学と分析哲学からの接近2017

    • Author(s)
      小熊正久・清水邦彦 編著
    • Total Pages
      265頁
    • Publisher
      東信堂
    • ISBN
      978-4-7989-13261

URL: 

Published: 2018-12-17  

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