2018 Fiscal Year Annual Research Report
The relationship between Amish religious identity and consumer culture
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15K01863
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
野村 奈央 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (10709588)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アメリカ研究 / 物質文化 / 消費文化 / 民族誌 / 再洗礼派 / アーミッシュ / 宗教社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの調査で収集したデータの分析およびエスノグラフィ作成、資料の精査をすすめた。昨年度実行することができなかったアーミッシュの余暇活動の傾向を調査するために、7月7日から16日にアーミッシュの被調査家族の旅行に同行し、ペンシルバニア州ランカスターからケンタッキー州、ウェスト・ヴァージニア州、ワシントンD.C.をめぐる旅行の運転手として生活を共にしながら、民族誌学的な調査を行なった。具体的には、ペンシルバニア州ピッツバーグ郊外のフライト93メモリアル、ケンタッキー州ピッツバーグの創造博物館、ワシントンD.C.のスミソニアン博物館群において、インフォーマントの消費活動や展示の見学の仕方などを参与観察し、博物館職員や一部来館者への聞き取り調査を実施した。
また、12月17・18日にコペンハーゲン大学で開催された研究会「Religion, Economy, and Value: Histories of Religious Fundraising」にて、アーミッシュが相互扶助として実施する慈善オークションにおけるアーミッシュの消費活動と宗教アイデンティティの強化の過程について研究発表を行なった。これまでの調査で収集したデータをもとに、アーミッシュが教会員に対する援助を目的として奉仕することで、アーミッシュの教義が重要視している相互扶助の理念や労働倫理を若い世代に伝えると同時に、消費活動を正当化しやすくなっていることを報告した。本研究会には、アメリカ合衆国、アイルランド、イギリス、オーストラリア、デンマーク、ナイジェリア等世界各地から研究者が参加しており、多岐にわたる学術分野の研究者と意見交換を行うことができた。現在、本研究会に参加した研究者と共同で「Journal of Cultural Economy」という学術誌へ特集号として研究成果を発表する準備をすすめている。
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Research Products
(2 results)