2018 Fiscal Year Research-status Report
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15K01911
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| Research Institution | Hitotsubashi University |
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Principal Investigator |
佐藤 文香 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (10367667)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 軍事的男性性 / ジェンダー / 自衛隊 / 軍事組織 / 戦後日本社会 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、これまで聞きとり調査を続けてきた現職・退職男性自衛官のトランスクリプトをもとに、世代の異なる男性自衛官たちの経験を把握することに努めた。分析に際しては、彼らが語りの中で、組織内外のいかなる「他者」と自己とを差異化しようとしているのかに着目し、男性自衛官のアイデンティ形成のプロセスの一端を明らかにした。
あわせて、文献研究として、公式文献や記念誌等の基礎資料の収集、および、先行研究の読みこみを続けた。また、これまでに収集してきた英語圏の先行研究を検討した結果、「軍事的男性性」概念の使用をめぐって、現在大きく２方向の研究潮流に分岐しつつあることを指摘した。自身の理論枠組みをつくりあげていく際、この２潮流をどのように超克していくべきなのか、整理しつつ自らの指針をたてることに努めた。
これらの成果は、戦争社会学研究会大会において「『男性自衛官である』という経験―アイデンティティ構築における「他者」に注目して」、 国際ジェンダー学会大会において「男性性と軍隊・戦争の関係を再考する ―『軍事的男性性』概念の予備的考察に向けて」として報告を行った。また、日本政治学会のジェンダーと政治研究会による企画「安全保障とジェンダー ―フェミニズム・批判理論・ジェンダー主流化」では討論者をつとめ、関連領域の研究者との意見交換の機会を得た。さらに、朝日新聞社やＮＨＫ、トムソン・ロイター社の取材を受けることで、これらの知見を広く一般社会にフィードバックすることにも努めた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、文献研究とインタビュー調査を用いたアプローチをおこなうものであり、当初計画のとおり、いずれも順調に進行しているところである。
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| Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成31年度は、これまでの聞きとり調査の分析をまとめ、現職・退職男性自衛官の経験を、変容する日本社会の文脈に位置づけることに努める。「軍事的男性性」概念の批判的検討から導き出された、本研究における理論枠組みをもとに、これらの調査結果をまとめていく。
研究の成果は、国際ジェンダー学会、日本社会学会、International Studies Association（ISA）で報告をおこなう。また、新書の執筆準備をすすめ、一般紙や解説・総説、講演等を通じて、研究成果を広く紹介することに努める。
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| Causes of Carryover |
家族の危篤により2019年3月トロント開催のInternational Studies Association（ISA）への参加をとりやめた。2020年3月ハワイ開催の同学会への参加によって使用する計画である。
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Research Products
(9 results)
