2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K01925
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
千田 有紀 武蔵大学, 社会学部, 教授 (70323730)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エコロジカルフェミニズム / 科学技術 / 反原子力運動 / 母性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、エコロジーとフェミニズムの関係を問い直し、理論的に深化させることを目的としている。その際に、アメリカのカリフォルニアでの反原子力運動に着目する。この運動のうち、カリフォルニア大学が広島の原子爆弾を開発したことを批判し、日本に関心を寄せながら約30年間活動を続けている団体Circle of Concernと、福島第一原子力発電所の事故以降、日本領事館への請願活動を行っている団体を取り上げる。
これら団体の調査はすでに、平成27年度におこなっている。今年度は、昨年度のこのフィールドワークの成果である、アメリカのカリフォルニア州バークリーで行ったインタビュー調査のまとめと、参与観察調査の分析をおこなった。さらにそこに韓国の環境運動を視野に入れて、日本の東日本大震災が韓国の環境運動にどのような影響を与えたのかについてなど、日米比較の枠を超えて分析の視野を広げた。有機農法やスローライフといった運動が、放射性物質にどう立ち向かえるのかを考えさせられ、また運動のあり方の再考がせまられたという。
それと並行して、エコロジーやフェミニズム、とくに母性に関する基礎文献を読み込んだ。さらに「一億総活躍社会」がめざされ、「保育園落ちた、日本死ね」といったブログが注目され、女性の就労が支援されているかのような社会変動の中で、専業主婦的な性別役割分業を前提とした母性神話は変容をよぎなくされている。その変化についても考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の課題は、1.カリフォルニアにおける運動と日本における運動を比較し、日米社会の比較研究を行う、2.エコロジーとフェミニズムの関係を理論的・思想的に問い直す、3.アメリカカリフォルニアでの反原子力運動を記録し、比較分析を行うの3点である。平成28年度の課題は、①日本におけるエコロジカル・フェミニズムの歴史的・理論的整理をおこなう。②日本のメディアにおいてどのように震災後の報道でカテゴリーが使用されたのかを分析する。③ カリフォルニアにおける反原子力運動の調査をおこなう。④日本における親たちによる環境運動の調査をおこなう。⑤日本のフェミニストが震災前後にエコロジーとどう向き合ってきたのか調査を続行する。以上の5点であるが、③のフィールドワークが行われなかった。平成29年にバックアップを行う。
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Strategy for Future Research Activity |
前述したように、①日本におけるエコロジカル・フェミニズムの歴史的・理論的整理をおこなう。②日本のメディアにおいてどのように震災後の報道でカテゴリーが使用されたのかを分析する。③ カリフォルニアにおける反原子力運動の調査をおこなう。④日本における親たちによる環境運動の調査をおこなう。⑤日本のフェミニストが震災前後にエコロジーとどう向き合ってきたのか調査を続行する。の5点のうち、とくに平成28年度に後れをとったカリフォルニアでのフィールドワークを進展させつつ、残りの4点に関しても研究を続行する。
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Causes of Carryover |
アメリカのカリフォルニアで予定されていたフィールドワークが、先方の都合により実施できなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に、カリフォルニアバークリーでのフィールドワークをまとめて行う予定である。
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Research Products
(2 results)