2017 Fiscal Year Annual Research Report
International Comparable Study on the Ideological Restructuring of Gender Order by Neoliberal/Neoconservetive regime in UK, Korea and Japan
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15K01928
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
細谷 実 関東学院大学, 経営学部, 教授 (10209249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海妻 径子 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (10422065)
千田 有紀 武蔵大学, 社会学部, 教授 (70323730)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 新自由主義 / ネオリベラリズム / 市場化 / 保守主義 / 反共主義 / 伝統主義 / 家父長制 / 労働党 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年度においては、昨年実施できなかったイギリスへの調査を実施し、当初の計画通りLSE(London School of Economics and Political Science)Gender Instituteを訪問、Mary Evans教授へのインタビューをおこなった。また新保守主義女性政治家や男性性について等、イギリス政治とジェンダーについてウェブコラムで精力的に発言をおこなっているダービー大学研究員のPhil Burton-Cartledge氏にもインタビューをおこなうなどした。 これらの調査の結果、(1)排外主義を掲げるいわゆる極右勢力とエスタブリッシュ層を支持基盤とする保守党およびそのイデオロギーとしての新保守主義とが、イギリスの場合は必ずしも重ならない(前者についてイギリスでは、むしろファシズムとして捉えられている)、(2)労働組合を媒介とした労働党勢力と、ジェンダー・セクシュアリティ規範に対する自由主義も含む、多元主義的価値観の支持層との結びつきは強固なものがあり、近年のUKIPへの急速な支持拡大からの支持急落を理解するには、労働党に対する評価の変容を視野に入れる必要があること、等が確認できた。 以上のようなイギリス調査成果と、昨年の韓国調査成果、および各研究分担者で進めていた日本における新自由主義・新保守主義分析の成果を突き合わせ、ジェンダー・セクシュアリティ規範における反自由主義運動(父親復権運動など)と政治における新自由主義・新保守主義イデオロギーとの関連性について、女性(保守)政治家比較研究、韓国における女性の徴兵志願運動にみられるミリタリズムと就活における新自由主義的競争主義や近年の反北朝鮮(新)保守主義との関連性、イギリスにおける第三波以降のフェミニズムと新自由主義イデオロギーとの関連、などの軸に沿って成果をまとめていくこととした。
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Research Products
(4 results)