2018 Fiscal Year Research-status Report
東アジア近代化の地域論的比較思想研究ー新出の康有為自筆資料に見る21世紀的課題ー
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15K02036
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
平野 和彦 山梨県立大学, 国際政策学部, 教授 (60238376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 聡 玉川大学, リベラルアーツ学部, 教授 (80352722)
馬 燕 愛知文教大学, 人文学部, 准教授 (80734300)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大同書 / 留学教育思想 / 留学教育思想 / 原始儒教 / 孔子儒教 / 福音書 / 朱子学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者にあっては、本研究課題に係る資料の翻字を継続中。研究協力者とも連携を取りつつ進めている。尚、本研究内容について、国内学会、国際学会、学会誌等での公開発表には至っていない。 研究分担者は研究・発表が進捗している。研究代表者は、この間、台湾台北市、新北市を数度にわたって訪問し、当該資料提供機関である「何創時書法芸術基金会」、天主教輔仁大学文学院中文系、元台湾師範大学教授杜忠誥氏らと研究に係る討論を行った。研究分担者は、資料収集、研究討論のため、海外においては中華人民共和国上海市の上海図書館、青島市の青島図書館、清州市、国内においては横浜市、長崎市、神戸市等、康有為と交流のあった当時の日本国内人士に関わる地域を複数回にわたって訪問し研究成果を上げた。国内においては、康有為が訪問、宿泊した熱海、箱根等の旅館、資料館との連携を更に深め、成田市、三重県、大阪府等美術館に収蔵される関係資料、個人蔵の資料等について、国内研究を一層進めていく必要性があるものと考える。 これら進捗状況は、本研究目的に係るこれまでの研究成果を踏まえたもので、その意義は更に範囲を広げているという点で意義があり、今後更に研究協力者、研究連携者を拡大していく可能性を考慮するとその重要性は大きいと考えられる。 また、山梨県立大学は、2019年6月に天主教輔仁大学との全学姉妹校協定を締結する予定であり、従前、中国海洋大学日本研究センター及び上海師範大学との学術交流協定についても既に締結済みである。これら協定を踏まえ、康有為研究に係る地域との学術交流協定を進めるため、カナダ、アメリカ、香港、シンガポール、イギリス、フランス、エジプト、イタリア等、康有為が海外遊歴中に立ち寄った地域、国家について、本研究に関わる研究者を経由して、独自に学術交流を図る必要性があるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者が体調不良、傷病休暇、入院等のためエフォート20%を確保できなかったためである。このため、研究分担者の研究状況について国内における研究会等を開催して相互にチエックする時間的、各分担者の所属研究機関が関東圏から中部圏に跨るという距離的または移動時間的問題も介在したため、本年度はこれら研究成果を代表者が確認と討論を行う機会を逸した。 又、これとは別に、本研究の初年度及び翌年度に、当初研究計画で予定していた海外諸地域との研究交流、資料収集は既に行われたが、本研究の当初目的が更に発展的傾向の可能性があることから、更に国内に来年度の発展的国際交流を独自に開拓する必要性も生じ、その意味でも遅れ気味であることを肯定的に認める現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで通り研究代表者、研究分担者及び国内外の研究協力者との連絡を継続して研究成果を当初計画案に至るまでの道筋を見い出すことに専心する。 尚、来年度研究期間終了にあたっては以下の計画を予定している。 (1) 上海博物館の訪問。既出版(上海文物保管委員会文献研究部編・上海人民出版社・1996)の『康有為遺稿萬木草堂詩集』の原本特別観覧を事前に打診して、現保管機関である上記博物館にて閲覧。 (2)資料翻字、訳注、康有為海外遊記及び本研究期間中に購入した『康有為手稿』(全六冊巻)のうちの、詩に関する一冊(第二巻)を参照し、本研究に関係する詩の翻字、訳注を行う。 (3) その本研究期間前既購入の関係資料(英国ケンブリッジ訪問)等についても同様に翻字、訳注を行う。 (4) これまでの研究成果を、国内外の研究協力者を含めた合同研究会と発表会を開催する。
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Causes of Carryover |
海外渡航、海外・国内研究会等を初年度と二年度にほぼ終えていたためであるが、これまでの研究成果によって、更にその範囲を広げて国際交流、国際研究会を拡充する必要性も生じてきたため、今年度実質支出費用からの払戻費用を来年度使用費用に組み込む必要性も生じた。 次年度使用額が生じた理由と来年度使用計画については、これら必要事項に充てる計画であり、その重要性は本研究期間終了後の研究成果発表とその後の研究継続に十分に値する重要性が存ずるものと考えるものである。
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Research Products
(4 results)