2015 Fiscal Year Research-status Report
文化財としてみた地歌箏曲の研究―伝承の危機にある楽曲のアーカイブ化を目的として
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15K02166
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
萩岡 松韻 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (30376925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 敏子 京都市立芸術大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (10090200)
野川 美穂子 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (50218294)
長谷川 慎 静岡大学, 教育学部, 准教授 (00466971)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 芸術表現 / 地歌箏曲 / 地歌 / 山田流箏曲 / 生田流箏曲 / アーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績は、第1として地歌楽曲資料のアーカイブに取り組んだ。貴重音源(レコード・ライブ録音)の収集とデジタルデータ化、、楽譜の収集とPDFデータ化を行った。楽譜については大阪古生田流系の楽譜、菊田歌雄所蔵の楽譜、名古屋系の楽譜、九州系の楽譜を収集し徐々にPDF化を進めているところである。こうした楽譜をもとに芸系において各派に伝わる古曲に関する曲目の楽曲目録作成にも取り掛かっている。第2として、伝承者の演奏を録音保存するために、若手実演家に協力を依頼しレッスンを受けてもらった。録音と楽譜を収集し、より詳細な楽譜化に際しての微妙なニュアンスを記録することができた。第3として、伝承者(岩田柔柯、中澤眞佐ほか)への聞き取りを行った。伝承する楽曲の目録、楽譜のほか初学時の自身の稽古の様子や師の人となりなどの芸談について記録した。第4として、研究代表者が伝承する希少曲の楽譜の整譜を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に立てた年次計画に基づいて順調に進んでいる。楽譜及び音源資料については当初予想以上に収集成果が上がった。同時にデジタルデータ化について膨大な時間を要するためにアーカイブ作業にやや遅れがみられるものの順調に進んでいる。楽譜の整譜について納期が遅れたため今年度予定数を達成できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28度は1年次に続く継続的な楽曲の収集・音源の録音、伝承者への聞き取り調査を実施する。2年次のまとめとして、情報・意見交換会を開催し次年度への発展的な研究のための示唆を得る。
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Causes of Carryover |
楽譜の整譜について納品が遅れたため今年度に使用できなかったことと、音源のデータ化謝金が予定以上の時間数を要したことから未使用金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため、納品が遅れている楽譜の整譜は次年度初旬となる見通しであるため、未使用額はその経費に充てることとしたい。また、音源のデータ化謝金について次年度は調整を行う予定である。
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