2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study aimed at collecting related materials and organize materials of Kawabata Yasunari's new materials" Students carry the teacher's coffin".
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15K02282
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| Research Institution | Ibaraki University |
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Principal Investigator |
宮崎 尚子 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30611652)
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2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 川端康成 / 旧制中学校 / 「生徒の肩に柩をのせて」 / 「十六歳の日記」 / 「倉木先生の葬式」 / 「師の棺を肩に」 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2012年に研究者が発見した川端康成の新資料「生徒の肩に柩をのせて」（「団欒」）に関わる史料調査と整理翻刻を行った。
①茨木市史料：茨木高等学校の資料室に保管されていた史料を調査整理した。初代校長加藤逢吉の日記（明治31年～昭和14年）を撮影（一部翻刻）して、印刷製本して同窓会に寄贈した。欠本だった同窓会報を複写製本して寄贈した。加藤校長寄贈アルバムから倉崎仁一郎と息女の写真を特定した。追悼号、日誌、同窓会報、書類などから生徒葬を生徒の立案企画で遂行した詳細な事情を解明した。倉崎の墓建立、50回忌香典の一覧に川端の名がある事など判明した。作品の題材である生徒自治は現在の茨木高等学校に校歌や伝統行事として受け継がれていた事も分かった。倉崎の50回忌の三カ月前に茨木高等学校に揮毫した「以文会友」の続き「以友輔仁」は生徒葬を彷彿とさせ、晩年まで意識していた事が伺える。生徒葬や「団欒」に関わった石丸梧平、満井成吉の遺族、倉崎仁一郎の親族と面会して資料提供を受けた。最終年度には、生徒葬の発案者である藤波大超氏の息女と面会した。
②松江市史料：倉崎の生家が小泉八雲の旧居と同じ町内である事、当時の松江中学校の教頭であった西田千太郎と倉崎の交流も確認できた。提供された倉崎の長女の夫である長谷川清治（撫順製油工場長）の写真は茨木中学校初代校長の寄贈アルバムのものと一致した。最終年度には松江中学校の同窓会報が焼失していない事を確認できた。
③伊原青々園の書簡：倉崎仁一郎の死後に長男義郎が入院し、妻寿恵が亡くなった事が分かった。会報「倉崎恩師御遺族の惨事を耳にし泣かざるもの幾人かある」の内情を示したものだった。この事実を受けて「倉木先生の葬式」ではお嬢さんが唯一孤児の設定になっており、この時期に川端の孤児モチーフ作品も集中している。
以上の成果に関しては論文、学術発表、講演等で報告した。
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