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2017 Fiscal Year Research-status Report

王政復古期演劇と政体の危機

Research Project

Project/Area Number 15K02316
Research InstitutionSenshu University

Principal Investigator

末廣 幹  専修大学, 文学部, 教授 (70264570)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2019-03-31
Keywords演劇 / 政治 / 王政復古期 / 名誉革命
Outline of Annual Research Achievements

昨年度に引き続き、ジェイムズ二世が国王として即位した1685 年から1695 年頃までの時代に注目し、演劇と政治との関係を検討した。とくに、名誉革命という未曾有の政変について演劇はどのように表象したのかを具体的に検討した。名誉革命については、近年、Steven Pincus の1688: The First Modern Revolution (2009)のような優れた著作が刊行され、「非革命的な」革命であったという従来の見方を覆し、国際的な
事件であったことが注目されている。しかしながら、名誉革命が文学にどのような影響
を及ぼし、文学、とくに演劇がこの政変にどのように介入したのかについてはまったく等閑視されている。そこで、本研究では、とくに名誉革命後の1690 年代に上演された芝居を包括的に取り上げ、政治的な機能の分析を行った。この時期に上演された演劇には、トマス・サザンの『妻たちの言い訳』のように、結婚生活の危機や破綻をドラマ化したものが数多く見られるが、そこで前景化されている夫もしくは妻の変節という主題が、当時は、ハリファックス初代伯爵が名誉革命を擁護して「変節漢」(trimmer)と非難されたように、名誉革命と関連して政治的な意味を帯びる可能性もあったことを検討した。さらに、この時代にもうひとつ人気を博した主題として、トマス・シャドウェルの『ベリー市』のように、親子の確執と和解という主題があるが、父と息子の和解というプロットも、名誉革命後には、父である君主と子である臣民の歩み寄りという政治的意味作用を帯びていた可能性を検討した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

王政復古期後期の演劇テクストの分析は進められた。しかし、公務のために、国内及び国外の調査に行けなかったこともあって、王政復古期の政治資料や図版などの視覚的資料が揃っておらず、演劇テクストと王政復古期の政治状況との相関関係を、演劇テクストや視覚的資料の分析を通じてじゅうぶんに検討するまでには至っていない。

Strategy for Future Research Activity

平成30年度は、国内及び国外の調査を積極的に行い、演劇テクスト視覚的資料との関連についての比較検討を進めたい。さらに、研究全体の総括を目指して、王政復古期の政治状況と演劇との関係について包括的な考察を行う。

Causes of Carryover

今年度は公務で多忙だったために国内及び国外の調査が行えなかったので、当該助成金が生じた。国内及び国外の調査を進めると共に、新たな資料を購入しリサーチをさらに進める。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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