2018 Fiscal Year Annual Research Report
Language development and use by a receptive bilingual
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15K02543
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 雅代 関西学院大学, 国際学部, 教授 (40230586)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バイリンガリズム / 言語使用 / ハワイ / 英語-日本語環境 / 言語習得 / 言語使用 / 親子 / 日本語-英語 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、春までは協力2家族 (E家族、L家族)から録音データを収集するという通常通りの作業を行い、最終的に、各家族から100本を数える録音データを提供頂くことになった。その後は、結果の分析、考察を進め、調査の全期間を通貫する結果のまとめに入ったが、主たる協力家族であるE家族については、その後、研究対象の女児の日本語環境が大きく変わる可能性が出て来たことがわかり、そこに至った状況や、今後の予定等を把握するために、再度の面談調査を行う必要が生じた。そこで2019年の1月半ばから短期ハワイに滞在し、E家族への面談を実施すると共に研究成果をまとめる執筆作業を進めた。 今年度(及び今期)の研究成果を、設定した研究目的に則して簡潔にまとめると、以下の2点に集約出来ると思われる:(1) 母親と女児間での言語選択・使用の動的、流動的軌跡を詳細に検証すると、両者間の言語使用状況の流れが、女児の学校への入学というような女児を囲む周りの言語環境の変化と連動している様子が伺えること; (2) 母親の言語選択・使用の動的、流動的軌跡を方向づけていると思われるところは、必ずしも、Lanza (2004) が主張するような母親の側にある意図的な「談話方略」だけにあるものではなく、女児をとりまくその他の要因(ここのケースで言えば、たとえば、女児の側の言語能力そのもの)が大きな影響力を及ぼしている様子が伺えること これら2点は、特段新しい「発見」ではないものの、長期にわたるデータ収集・分析、さらに母親へのインタビュー、質問紙への回答、筆者の長年に亘る観察等を土台とした総合的知見に支えられた分析結果として大いに意義あるものと考えている。 なお、現在、研究成果については、図書2件(準備段階1件、今年度出版予定1件)、論文1件(今年度出版予定)の公表の予定および可能性があることを付記しておきたい。
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