2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K02622
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山田 英二 福岡大学, 人文学部, 教授 (20166698)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 強勢 / コーパス / 位置関数理論 / 英語 / 多音節語句 / 電子データ / プロソディ / 音律 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、英語の多音節語句における強勢配置メカニズムを電子データを用いて詳細に分析し、最近提案された「位置関数理論」の問題点をあぶり出すと共に、その理論をより緻密にし、英語の主強勢・副次強勢配置メカニズム全般を説明できる理論として完成させることにある。具体的作業としては、「電子データ」を用いて、数量的に「位置関数理論」の検証を行い、理論の完成を目指す。 上記の目的を達成するために、本年度は言語事実の掘り起こし作業と検証作業を行った。さらに、本研究と関連した研究を行っている国内外の専門研究者との情報交換・連携も密に行った。特に、ヨーロッパの研究者との連携を重視した。というのも、英米においては、「言語学」の研究対象としては「英語」以外が用いられることが多いため、「英語」そのものをデータとした言語研究は、実は英米圏よりもむしろ、ヨーロッパの方が盛んな傾向にある。つまり、英米以外の国々では、「英語」は第二言語であるが故に逆に言語学の研究対象となっている。この傾向は、「世界語としての英語」の価値が高まるにつれ、さらに顕著となっている。 今年度の実績としては、フランスで開催された国際会議「PAC 2015: Variation, Change and Spoken Corpora: Advances in the Phonology and Phonetics of Contemporary English」に参加し、研究発表を行うとともに、積極的な情報交換・情報収集を行った。その結果、本研究に必要な電子データの収集とそれに関する貴重な情報を得ることができた。また、「世界語として英語」の音声を収集し、コーパスを作成しつづけているPACというフランスの研究団体の責任者であるトゥールーズ大学名誉教授ジャック・デュラン教授を平成28年度に日本に招聘し、共同研究を行うことになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究に必要な電子データの収集、専門研究者との情報交換など、当初の予定通り、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は更なる情報収集と電子データの収集を行う予定である。具体的には、9月にフランスで開催される音韻論・音声学の国際会議で研究成果の一部を発表することが既に決まっている。そこでも、十分な情報収集と意見交換を行う予定である。また、本研究に関する研究を行っている欧米の研究者を集め、英国の出版社から研究書を編者の一人として出版する予定で、現在、関連出版社と交渉中である。
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Causes of Carryover |
本年度は、電子メールなどの手段を用いて、電子データの収集と分析を主に行ったため、国外への旅費の出費はなかった。国外の研究者との情報交換は電子メールを用いて、頻繁に行った。 なお、国内の研究者との情報交換も密に行い、国内の専門研究者を研究代表者の所属する研究機関に招き、専門的知識の提供を受けた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は本年度の研究成果を国際学会(2016年9月、フランス)にて発表するすることが既に決定している。さらに、別の国際学会にも参加する予定である。
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Research Products
(3 results)