2017 Fiscal Year Research-status Report
高度外国人材に求められるビジネス日本語フレームワーク構築のための調査研究
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15K02644
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
葦原 恭子 琉球大学, グローバル教育支援機構, 教授 (30566534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 貴之 沖縄国際大学, 総合文化学部, 講師 (00745490)
島田 めぐみ 日本大学, 大学院総合社会情報研究科, 教授 (50302906)
塩谷 由美子 東京富士大学, 経営学部, 教授 (60744315)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ビジネス日本語フレームワーク / 高度外国人材 / CEFR / 質的調査法 / 異文化コミュニケーション能力 / ビジネス日本語能力 / 仲介者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究チームは「高度外国人材に求められるビジネス日本語フレームワーク構築」に取り組んでいる。当該研究ではCEFR(欧州言語共通参照枠)を参照しつつ,高度外国人材に求められるビジネス日本語能力のうち「読む」「書く」「聞く」「話す」「やりとり」については,高度外国人材に対するアンケート調査を実施し、その結果を分析し、フレームワーク案を構築しつつある。ビジネス日本語フレームワーク構築のプロセスには「直観的手法」「質的調査法」「量的調査法」があるが、2017年度は「質的調査法」に注目し、2017年8月にタイで、また、2018年3月には韓国で、それぞれ当該地で活躍する高度外国人材に対するインタビュー調査を実施した。 タイにおける調査では、首都バンコクで通訳業務に従事している高度外国人材を対象に調査を実施した。その結果、以下のような点が明らかとなった。1)タイ人高度人材は,タイ人と日本人の仕事への取り組み方の傾向の違いを認識していた。それらは「仕事への姿勢」「仕事へのこだわり」「時間の管理」「コミュニケーションスタイル」「会議のスタイル」に分類された。2)タイ人高度人材は1)のような違いを認識した上で様々な方略を用いて仲介活動を行なっていた。その方略は「情報を確認する」「適切な伝達方法を選ぶ」「揉め事に対処する」「情報を補足する」に分類された。3)タイ人高度人材は,仲介者としての心構えを持った上で,異文化コミュニケーターとして業務を遂行していたが,一方で様々なジレンマを抱えてもいた。タイでの調査結果は沖縄県日本語教育研究会で口頭発表し、研究論文として紀要に掲載された。 韓国における調査結果は、現在、情報を整理し、結果分析中であるため、2018年度中に結果を口頭発表し、研究論文としてまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究チームメンバーは東京と沖縄に分かれてが、2017年度は計10回以上の研究打ち合わせを実施し、タイと韓国での調査も実施した。また研究成果は学会で発表し、論文にもまとめることができた。ビジネス日本語フレームワーク構築も80%以上進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は本研究の最終年度であるため、ビジネス日本語フレームワークの最終案を構築する。構築した案については、2019度以降に、新たな研究計画を立案し、レベル付け等を行い、フレームワークを完成させるべく研究を続ける計画である。
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Causes of Carryover |
2018年度3月に実施した韓国調査に参加予定であった研究者1名の所属変更に伴い、本務の出張と重なったため、調査に参加できなかったことから、使用額に変更があった。
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Research Products
(3 results)