2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K02698
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
上村 妙子 専修大学, 文学部, 教授 (30205926)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 文法指導 / 文法学習 / 日本人英語学習者 / 日本人大学生 / 日本人高校生 / 学習指導要領 / 文法テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、平成27年度に行ったパイロット調査を基に修正を加え、日本人高校生と大学生を対象として文法の習得過程を探る研究を行った。 平成27年度の調査では、高校の英語ライティングの教科書に掲載されているモデル文のうち中学校での既習文法項目を扱っている40文選び文法テストを作成した。しかし、これらのモデル文で扱われている文法項目は限定されたものであり、中学校で学ぶすべての項目を網羅したものではなかった。そのため、平成29年度では、『中学校学習指導要領解説・外国語編』(2008)に掲載されている76すべての文法項目を扱った文法テストを作成した。高校1年生と大学1年生を参加者として、この文法テストを実施し、各項目に関する正答率を求め、正答率70%を習得の可否を定める閾値とした。 分析の結果、中学校で学ぶ文法項目関する正答率は、大学生では70%の正答率に達しこれらの文法項目を習得していた一方、日本人高校生は一部の文法項目に関して70%の正答率に達していなかったことが判明した。高校生、大学生が共に正答率70%に達していた項目を「初期習得項目」、大学生は70%に達していたが高校生は達していなかった項目を「中期習得項目」、さらに高校生、大学生がともに70%に達していなかった項目を「後期習得項目」として再分類した。その結果、「初期習得項目」は32項目で主に文の種類に関するものであった。「中期習得項目」にはSVOO構文、過去分詞、及び受け身など28項目が含まれ、「後期習得項目」にはSVOC構文、最上級、不定詞の形容詞的用法など16項目が含まれていた。「中期習得項目」と「後期習得項目」について誤答分析を行った結果、SVOC構文など目標文法項目に対する指導上でのインプットの不足と、不定詞の形容詞的用法に見られる後置修飾など日本語と英語の違いが誤りにつながっている可能性が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度から平成29年度までの3年間にわたる研究成果をすべて論文としてまとめ上げるのに時間がかかっている。3年間の研究成果のすべてはすでに学会にて口頭発表は終えている。平成27年度と平成28年度の研究成果はすでに論文の形にまとめてあるが、平成29年度の成果をまとめる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は平成27年度から平成29年度までに行った研究のうちパイロット調査を除いた3つの研究を書籍の形にまとめる予定である。現在原稿は出来上がりつつあり、今後推敲を重ね、修正、英文校閲の段階を経る予定である。
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Research Products
(1 results)