2016 Fiscal Year Research-status Report
日韓両言語の漢語動詞の習得を促進する正の要因と阻害する負の要因に関する基礎的研究
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15K02703
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
尹 亭仁 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (70409879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 南欧子 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (60409878)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本語 / 韓国語 / 漢語動詞 / 正の転移 / 負の転移 / 母語干渉 / 語彙調査 / 頻度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は『デイリーコンサイス日韓辞典』(2009、三省堂)に載っている3万語余りの見出し語から日本の漢語動詞(漢語+スル)をピックアップして韓国の漢語動詞(漢語+hada)との対応関係を中心に分析を行なった。特に「営為」「加害」「空言」「過労」「過言」など、日本語は名詞なのに韓国語は漢語動詞である、両言語において最大の「負の転移」を占めている漢語名詞群(580語)が混ざらないように注意を払った。また「優越する」「肥大する」「肥満する」「放蕩する」「飽満する」など、日本語は漢語動詞なのに韓国語は漢語形容詞の類の分類にも注意を払った。『デイリーコンサイス国語辞典』(2010、第5版、三省堂)での漢語動詞の調査が終わり次第、2015年度と同様の形の「日韓辞典漢語動詞データ」を完成する予定である。 日本語は「漢語+スル」なのに韓国語は「漢語+hada」にも「漢語+doida」にもなりうる動詞群について『東亜新国語辞典』(1989)を中心に語彙調査を行なった。見出し語としては800語余りが確認できたが、理解語彙としても使われない語も多く、『デイリーコンサイス韓日辞典』(2009)の見出し語と比較してみたところ、約500語ほどが、一応2つの用法を持っていることが確認できた。この調査の結果を「日韓辞典漢語動詞データ」に反映するつもりである。 さらに、日韓両言語における漢語動詞の対応の様相をより具体的に捉えるべく、韓日対訳小説の『真昼の視線』に見られる漢語動詞の用例を取り上げ、論文としてまとめた。両言語の間に対応する漢語動詞があるにも関わらず、文脈によっては他の動詞や表現を用いている現状が浮き彫りになった。特に、1字漢語動詞は異なり語数は少ないが、延べ語数が多く、その分、両言語間で負の転移につながっていることも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年度の課題である『デイリーコンサイス日韓辞典』(2009、三省堂)に載っている約3万語の見出し語から漢語動詞をピックアップ、分類、分析する作業に加え、『デイリーコンサイス韓日辞典』(2009、三省堂)(約48,000語)に載っている漢語動詞と語数におけるバランスを取るため、『デイリーコンサイス国語辞典』(2010、第5版、三省堂)に載っている漢語動詞の調査を並行していたためである。さらに、「李箱文学賞」の10年分(10冊)のデータの整備及び漢語動詞・漢語形容詞の使用状況についても語彙調査を行ない、頻度を把握した。同時に『中央日報』の1年間(2016年)の社説での漢語動詞の使用状況及び頻度も調べた。いずれも、予想より時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は、2015年度の語彙調査の実績である「韓日辞典漢語動詞データ」(完成)及び2016年度の語彙調査の実績である「日韓辞典漢語動詞データ」(追加の語彙約2千語を加え完成を目指している)を基本にし、漢語動詞の使用状況及び頻度調査を行なう。 日本・韓国で市販・使用されている主な韓国語・日本語の教材(それぞれ10種類以上、中にはレベル1~4まで4冊のもののあるため、言語ごとに20冊以上に上る)を取り揃え、研究協力者にも協力を求め、2016年度の実績である「李箱文学賞10年分(2006-2015)に見られる漢語動詞」及び「中央日報1年分(2016年)の社説に見られる漢語動詞」での頻度調査を参考にする。まずは、使用語彙の語数、頻度リスト、重要語リストを作成する。それに基づいて初級・中級・上級と学習レベルに即した漢語動詞の習得基準を策定する。
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Research Products
(1 results)