2016 Fiscal Year Research-status Report
明示的・暗示的言語知識テスト開発と個人差-脳科学的アプローチによる検討-
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15K02745
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Thyreau Benjamin 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 研究支援者 (30709522)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 第二言語習得 / 認知科学 / 脳科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
高度な英語力を養成することが日本の英語教育の課題であるが、それを支える明示的(言語)知識と暗示的(言語)知識の育成法やその評価法に関する研究は大幅に遅れている。本研究は、脳機能イメージングの手法を用いて、第二言語学習者の暗示的知識と明示的知識の習得プロセスの脳メカニズムの解明と、そのメカニズムに影響を及ぼす個人差要因の特定を目的とする。平成27年度には暗示的知識と明示的知識を測定するテスト(時間制限無し文法性判断課題)を30名の英語学習者に予備実験を実施した。 平成28年の3月から9月までは客員研究員として、アメリカのペンシルベニア州立大学、心理学、神経言語学研究室(Ping Li教授)に滞在しながら、言語の暗示的知識と明示的知識の脳内メカニズムに関する理論的検討と情報収集を行った。また、第二言語習得や明示的・潜在的知識の脳メカニズムの世界的研究を行っているジョージタウン大学にも2016年9月と2017年3月に訪問し、情報取集も行った。 平成29年には、実験の実施とデータの分析、そして研究全体のまとめを行う予定である。本研究を通して、暗示的知識と明示的知識の脳科学的データの提供や、脳科学に基づいた外国語学習評価法の開発が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、半年間、アメリカのペンシルベニア州立大学で客員研究員をしながら、第二言語に関与する脳内メカニズムと最近の研究手法を学ぶことに専念した。そのため、平成28年には新たな実験は行えなかったが、平成27年度に行ったfMRI実験の脳データの分析と議論が進み、その結果をもとに、平成29年度に行う追加実験の準備が完成している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、平成27年度行ったfMRI研究の結果を単一論文としてまとめながら、さらに、平成29年度には第二言語知識を測定する課題に関する追加実験を実施する予定である。また、追加実験のデータを分析し、これまで収集した結果と情報をまとめ、レビュー論文を出版する予定である。
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Causes of Carryover |
殆ど計画通りに研究予算の執行はできたが、わずかの金額が残った形である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度には追加実験とこれまでの実験結果をまとめる計画で、被験者や実験補助者の人件費、関連書籍、英文校閲の費用として計上している。
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[Presentation] Brain mechanisms of speech modification following feedback in second language communication2016
Author(s)
Jeong H, Thyreau, B, Saito, R, Kikuchi, S, Nozawa, T, Suzuki, W, Sugiura, M, & Kawashima, R
Organizer
Society for Neuroscience 2016
Place of Presentation
San Diego, California, USA
Year and Date
2016-11-12 – 2016-11-16