2018 Fiscal Year Annual Research Report
Neural correlates of implicit and explicit linguistic knowledge of second language learner and individual differences
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15K02745
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Thyreau Benjamin 東北大学, スマート・エイジング学際重点研究センター, 助手 (30709522)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 手続き記憶 / 宣言的記憶 / 暗示的知識 / 明示的知識 / 第二言語習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
言語学では、無意識的で直観的な暗示的知識のおかげで、日本人は日本語を流暢に使えていると考えられている。一方、日本人が第二言語(英語)を正しく流暢に話したり聞いたりできないのは、暗示的知識を習得しておらず、意識的に学習した明示的知識に頼らざるを得ないためであると考えられている。本研究は、脳機能イメージングの手法を用いて、第二言語学習者の暗示的知識と明示的知識の習得プロセスの脳メカニズムの解明を目的とした。平成27-28年度には日本人英語学習者の文法知識における暗示的・明示的知識と英語母語話者のそれとはどのように異なるのか、習熟度が上がるにつれて学習者の暗示的・明示的知知識はどのように変化するのかをfMRIを用いて検証した。実験では、33名の日本人英語学習者と30名英語母語話者が参加し、暗示的知識が測定可能な事実判断課題と明示的知識を測定する文法性判断課題をfMRIの中で遂行し、それぞれの課題遂行時の脳活動を測定した。その結果、日本で英語を学習している英語学習者のほとんどは明示的知識が司る領域で英語の文法を処理しており、暗示的知識の処理に関連する脳領域の関連はほとんど認められなかった。この結果を受け、平成29-30年には、第二言語環境で第二言語を学習している学習者は暗示的知識を有しているのかを検討するために、日本に滞在しながら日本語を学習している中国語母語話者を対象に暗示的知識と明示的知識を測定すると言われているワードモニタリングテストと内容判断を伴う模倣テストを用いて課題遂行中の脳活動を測定した。その結果、日本で日本語を習得している中国語母語話者は、暗示的知識が司る脳領域が関与していることが検出された。環境(教室外でも学習言語を使用するかしないか)が暗示的・明示的知識の質と量に影響を与える重要な要因であることがわかった。現在、論文投稿を準備している。
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