2017 Fiscal Year Annual Research Report
Overall study about Kotsuboku and Kiboku in a Kanji cultural sphere
Project/Area Number |
15K02970
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 浩之 北海道大学, 文学研究科, 教授 (60322773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小杉 康 北海道大学, 文学研究科, 教授 (10211898)
山際 明利 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (20249717)
石井 行雄 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60241402)
水上 雅晴 中央大学, 文学部, 教授 (60261260)
佐野 比呂己 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60455699)
橋本 裕行 奈良県立橿原考古学研究所, 企画部企画課, 課長 (80270776)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨卜 / 卜骨 / 亀卜 / 卜甲 / 壱岐 / 弥生時代 / 古墳時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
弥生時代の骨卜亀卜習俗の実態を考察・研究するため、長崎県壱岐島出土の卜骨の熟覧調査を行った。具体的には、壱岐市教育委員会の管理する、カラカミ遺跡・原ノ辻遺跡出土の卜骨と串山ミルメ浦遺跡出土の亀卜甲とを、一支国博物館(長崎県壱岐市芦辺町深江鶴亀触515番地1)において、壱岐市教育委員会文化財課の田中聡一氏立ち会いの下、熟覧し調査した。また、附近にある原ノ辻遺跡(復元遺構あり)も調査した。また、卜骨(シカ・イノシシの肩甲骨)におけるその焼灼痕を再現するために、松の枝を削って先を尖らせたものに火を点け、それをシカまたはイノシシの肩甲骨に直接当てる(息を吹きかけて火力を維持するが、火が弱くなったら枝を取り替えながら同一箇所の焼灼を繰り返す)方法を用いて肩甲骨にひび割れを生じさせる実験を行った。三本ほどの枝を交換しながら連続して焼灼を繰り返すことで、枝は松ヤニが出て火持ちが良くなり、交換すること約十数回、同一箇所に火の点いた枝を当る続けることで、肩甲骨にひび割れが生じることが確認できた。 前年度までに調査した、奈良県の唐古・鍵遺跡出土の卜骨(シカ・イノシシ)と鳥取県の青谷上寺地遺跡出土の卜骨(シカ・イノシシ)と比較すると、概して、唐古・鍵の卜骨はモグサによる焼灼痕(前々年度、実験を施行)と考えられるものが多く、壱岐の卜骨にはモグサによるものではないと考えられる小さな焼灼痕がある(カラカミ遺跡のものは例外的にモグサによる焼灼痕に似る)。上寺地遺跡の卜骨には、モグサによるらしいものとそうでないものと両方が見える。 これら肩甲骨の焼灼実験及び焼灼痕の再現と比較についての詳細は、『中国哲学』第45号(北海道中国哲学会、5月発行予定)に「骨卜における肩胛骨の焼灼法に関する試み」、唐古鍵考古学ミュージアム図録に「唐古鍵遺跡出土卜骨の焼灼再現実験始末記」という研究報告を発表する予定である。
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Research Products
(5 results)