2017 Fiscal Year Research-status Report
東南アジア島嶼部の高地社会におけるコーヒー栽培と生活様式に関する人類学的研究
Project/Area Number |
15K03052
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
福武 慎太郎 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (80439330)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | コーヒー / プランテーション / 貨幣経済 / 山地民 / 儀礼 |
Outline of Annual Research Achievements |
予定していたインドネシアにおけるコーヒー・チェリー生産農家の調査を次年度に延期し、本年度はコーヒー・チェリー栽培の歴史の長い、中米コスタリカにおける農園の調査を8月に実施した。 コスタリカのコーヒー生産協同組合を訪問し、聞き取り調査を実施した。生産者協同組合の一つである、COOPEATENAS(コペアテナス)は1969年8月10日、教区司祭であったルイス・ビジェガス(Luis Villegas)神父の発案により、93名の組合員(asociados/ associates)により誕生した。各組合員は10,000コロネスずつ出資し、現在の組合員数は1300名、主に北米やヨーロッパ向けに輸出している。15~20%は中間業者を通じてスターバックスに売っている。認証ラベルは、I SO140001(2015年)、フェアトレード認証(2006年)を取得している。 コスタリカのコーヒー栽培では、フェアトレードなど認証制度の浸透、成熟した協同組合による生産と加工、エコツーリズムとの連携など、東南アジアの生産地ではみられない発展がみられた。限定的な貨幣経済への依存が東南アジア島嶼地域の特有の可能性が高まったことも今年度の調査の成果であった。 2017 年11月には、大阪大学にて開催された国際会議で研究成果の報告を実施した。また2018年7月にブラジルで開催される予定の国際会議での報告を申請し、許諾を得ている。 本研究の延長申請をおこなったため、次年度も継続的に調査を実施する。次年度は延期されていたインドネシア共和国南スラウェシ州トラジャ地方におけるコーヒー栽培と経済に関する調査を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属研究期間内の共同研究事業の分担者となり他の研究課題に取り組む時間の確保が必要になったこと、また未就学の子がおり、同様に研究職に従事している妻との出張時期の調整などがら、計画どおりに調査研究を実行することが困難になった。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査計画を円滑に進行させるために、研究協力者に調査協力を依頼し、延期されていたインドネシア共和国南スラウェシ州における調査を7月~8月に実施する計画である。
|
Causes of Carryover |
所属研究機関内の共同研究事業の分担者として、他の研究課題に取り組む時間確保の必要性が生じ、予定していた調査を延期することになったため、その旅費に相当する費用が次年度に繰り越すことになった。その使用は、延期されたインドネシアにおけるコーヒー栽培農家の調査旅費にあてる計画である。
|