2017 Fiscal Year Annual Research Report
Basic study on the functions of lower courts and citizens in the ongoing constitutional dialogue.
Project/Area Number |
15K03098
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 雅寿 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (90215731)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 対話理論 / 対話 / 継続的対話 / 対話的違憲審査 / カナダ憲法 / 日本国憲法 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 カナダ憲法に関するまとめ カナダの憲法的対話における州裁判所と国民の機能と役割に関しては、違憲審査の諸手続に着目した。第1に、憲法的対話における州裁判所の機能と役割については、主に、州政府が州の最上級裁判所から憲法問題等について勧告的意見を得るための照会制度を分析した。州の照会制度では、州政府が憲法問題等について州の最上級裁判所へ照会し、州裁判所の回答に対し州政府がカナダ最高裁判所へ上訴し、州政府は最終的にカナダ最高裁判所から勧告的意見を得ることができる。カナダ最高裁判所が当該憲法問題について判断を下す際、州の最上級裁判所の憲法判断を考慮するため、州裁判所の役割は極めて重要である。第2に、憲法的対話における国民の機能と役割に関しては、公益スタンディングと利害関係者の訴訟参加手続を分析した。前者は、法律の合憲性等についての宣言的判決を求める者は、法律等の無効性に関する重大な争点が存在し、原告が当該争点に真の関心をもち、当該争点を裁判所が審査するための他の合理的で有効な方法が存在しない場合、自己の人権が侵害されていない者であっても、公益スタンディングが認められ、裁判所における憲法的対話に当事者として参加しうる。後者は、裁判所において憲法上の争点が提起された場合、利害関係を持つ国民は、訴訟参加を認められ、意見等を述べる機会が与えられる場合があり、訴訟当事者ではない国民も裁判所における憲法的対話に参加しうる。 2 日本の継続的対話における国民の機能と役割 日本の継続的対話における国民の機能と役割に関しては、憲法訴訟の当事者である国民が提示した憲法上の主張がどのように下級裁判所と最高裁の憲法判断に取り入れられたのかを中心に分析を進めた。具体的には、衆議院と参議院のいわゆる定数訴訟に関する下級裁判所の裁判例と最高裁の判例の分析を行った。
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Research Products
(7 results)