2017 Fiscal Year Annual Research Report
How to Enhance the Public Trust in the Criminal Justice- The Significance and Possibility of the Third Organization in Reviewing Criminal Cases
Project/Area Number |
15K03179
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Research Institution | Hakuoh University |
Principal Investigator |
平山 真理 白鴎大学, 法学部, 教授 (20406234)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 再審制度 / 取調べの可視化 / 刑事手続と被害者 / 刑事手続への市民参加 / 検察審査会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、再審開始決定やえん罪原因究明の過程への第三者機関の関与や、訴追機関が自己点検を行う意義について、諸外国の取組を中心に研究を行った。その過程では、刑事司法制度に対する市民の信頼をどう高めるべきか、また様々なえん罪防止の取組についても研究を行った。 2017年度は、海外調査として、台湾の高雄地方検察庁における取調べ可視化の取組について調査を行った。またカリフォルニア州サンタ・クララ郡の地区検事事務所を訪問し、地区検事長や担当検事補から、Conviction Integrity Unitについて説明を受け、えん罪防止の観点から訴追のあり方を検察官自身がチェックする重要な取り組みについて学んだ。また、Santa Clara University School of LawのNothern California Innocence Projectを訪問し、再審請求支援やえん罪防止の取組について説明を受けた。同プロジェクトでは、犯罪被害者とえん罪被害者の間の対話(同じ事件ではない)を支援するという、他の同様の組織が行っていない重要な取組実践があることが分かった。また、スコットランド司法省の刑事事件再審査委員会(CCRC)を訪問し、刑事事件再審査と再審請求において、第三者機関が関与する重要性について調査を行った。 国内調査では刑事司法に関するシンポジウムへの参加、弁護士へのインタビュー調査、また取調べ映像が重要な証拠となる裁判の傍聴を行った。 本研究では研究成果の社会還元にはとくに力を入れた。2017年度はアメリカ、オーストラリアの刑事法研究者、またわが国の弁護士を招き、一般公開講演会を3回行った。また韓国の刑事訴訟法研究者を招き、取調べの可視化について公開シンポジウムを実施した。また、研究代表者自身も論文執筆や学会報告、市民向け公開シンポジウムにおける講演を積極的に行った。
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