2015 Fiscal Year Research-status Report
国有企業を基軸とする中国の権威主義体制と国家資本主義の政治学的実証研究
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15K03279
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
鈴木 隆 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (50446605)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中国政治 / 中国共産党 / 中国の政治経済 / 中国の国有企業 / 党政関係 / 党企関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度にあたる平成27年度は、中国の国有企業に関する国内外の資料収集、とくに中国共産党と中国政府、国有企業の制度的関係を中心に、調査・研究を行った。 1.日本国内では、関連する先行業績はもちろん、党と政府の主要な指導者の発言・演説集や回顧録、中央国有企業の監督機関である国務院の国有資産管理監督委員会と複数の有力な国有企業の出版物(経済統計、経営陣の寄稿した文章など)など、日本国内で入手可能な各種資料を収集した。そのほか、中国共産党の組織体制、規律検査制度、イデオロギー工作、中国の政治・経済史、国際政治経済に関する二次文献を収集した。 2.海外資料調査としては、約2週間の日程で台湾での資料調査を行った。国立政治大学(台北市)を中心に、関係機関での文献資料の収集、研究者へのヒアリング調査、意見交換などを行った。文献資料の面では、国内調査と同様のテーマについて、日本では入手困難な各種資料を入手することができた。これらの作業により、1990年代から2000年代における中国の国内・対外政策に関する政策決定、国有企業改革の歴史と近年の改革動向、複数の国有企業の経営状況について知見を得た。 以上の資料調査とそれらの初歩的分析を通じて、台湾での関連する研究成果と研究動向を基本的に把握することができた。同時に、上記の国有資産管理監督委員会をはじめ、中国の国有企業と党・政府の制度的関係について、これまで十分に明らかにされてこなかった新たな事実を知ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね予定したとおり、資料の収集・分析を進め、その成果の一部を共著書や研究論文、研究コラムとして発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
収集した資料のさらなる分析を進めるとともに、次年度も引き続き、中国、台湾、米国などで資料調査を行う予定である。また、先行研究の総合的なレビューと国有資産監督管理委員会などに関する研究論文を執筆、発表する。
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Causes of Carryover |
当初予算の金額どおりに使用することを心がけたが、千円単位で残金が出てしまった。ある程度やむをえないこととはいえ、次年度はいっそうの注意を心がけたい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
書籍などの物品購入に充てる予定。
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