2017 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative analysis on Growth and Innovation Policy processes in the EU and Japan
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15K03296
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
福田 耕治 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20165286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 八寿絵 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60625119)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 科学技術イノベーション / 社会イノベーション / ホライズン2020 / EU希少疾患用医薬品 / 成長戦略 / イノベーション・ユニオン |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、「欧州2020」新成長戦略では、知識基盤と産業基盤の強化のためにR&D投資の3% の目標を掲げ、イノベーション・ユニオンと欧州イノベーション・パートナーシップの枠組みをつくり、官民連携のイノベーションを展開してきた。そこで科学技術イノベーションと社会イノベーションの両面を見据えながら、EUイノベーション政策の全貌を把握しつつ、日本のそれらとの日欧比較分析を行った。EU科学技術計画「ホライズン2020」では、産業リーダーシップと社会的課題の枠組みにおいて、優先課題が設定されている。「ホライズン2020」とは、EUの新成長戦略である「欧州2020」の一環をなす科学技術イノベーション政策に基づく研究補助金(ファウンデイング)である。経済的な利益や国際競争力の維持という点から中国との関係は重要となる。英国のEU離脱の是非を問う国民投票(ブレグジット)後のメイ政権では、英国が中国からの投資に対して制限的になりつつあったが、欧州債務危機の結果、イタリアやギリシャなどが中国からの投資を歓迎するようになった。ブレグジットの結果、英国がEU加盟国でなくなると、グローバルな安全保障貿易管理においても変化があらわれ、いくつかのEU諸国が今後も中国に対して妥協的な態度を取る可能性が否定できないであろう。 つまり科学技術イノベーション政策は、経済成長や社会保障のみならず、各国の経済と関連の深い軍事や安全保障にも大きな影響を与える。「ホライズン2020」はグローバルな国際共同研究に対するファンディングプログラムである。科学技術イノベーションが社会イノベーションをもたらすという観点から様々な指標が設定されている。研究分担者は、、「EU希少疾患用医薬品(オーファンドラッグ)戦略―患者の医療保障・医療財源の持続可能性と成長戦略の課題」を中心にイノベーションについて考察した。
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