2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K03365
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
井上 智洋 駒澤大学, 経済学部, 准教授 (90547093)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | 内生的成長 / ニューケインジアン / 内生的貨幣供給 / ゼロ金利制約 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでのデフレ不況に関する理論的研究から得られた結果について、齊藤元章・井上智洋(2017)『人工知能は資本主義を終焉させるか 経済的特異点と社会的特異』(PHP研究所)という対談の書籍で論じている。 そこでは、「歴史において貨幣量が長期的な経済成長や人口動態にすら影響を及ぼしており、貨幣の長期的中立性は成り立たない」「ゼロ金利下では通常の金融政策が効果を失い、財政政策の方がむしろマネーストックを決定づける」「デフレと有効需要不足が続く低位の定常状態に陥ると大きな外的なショックがなければその定常状態から抜け出せない」といったことを主張している。 前年度に引き続き、「ラーニング・バイ・ドゥーイングモデル」と「ニューケインジアンモデル」を統合したモデルを構築し既に論文にまとめているが、まだジャーナルへの投稿はできていない。 「クオリティー・ラダーモデル」や「人的資本モデル」などの内生的成長モデルと「ニューケインジアンモデル」との統合についても論文を書こうともくろんでいるが、全く手つかずの状態である。 また、プラス金利経済とゼロ金利経済のそれぞれに定常状態があるような複数均衡モデルに関する論文を前年度から書いているが、未だに完成していない。このモデルによって、日本が長期的なデフレ不況に陥っていた原因を簡単に説明できるようになる予定だ。 別件の人工知能が経済に与える影響を論じる仕事の依頼が多く、本研究は全体的にあまり進んでいない状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「人工知能が経済に与える影響」をテーマにした講演やインタビュー、執筆などを依頼されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題の進捗が遅れているので、講演やインタビュー、執筆などの仕事を減らすことによって、進捗を速めたい。
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Causes of Carryover |
ノートパソコンを購入する予定だったが、まだ購入していない。また、国内外での学会発表を行う時間的余裕がなかった。
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Research Products
(1 results)