2015 Fiscal Year Research-status Report
エルギン伯爵日英条約以降のスコットランド人の日本デイアスポラ(離散共同体)研究
Project/Area Number |
15K03588
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
北 政巳 創価大学, 経済学部, 教授 (90063924)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 日英関係史 / 幕末日本と世界 / エルギン伯爵 / スコットランド人 / 19世紀アジア史 / 幕末明治国際比較 / 大英帝国とアジア / アヘン戦争 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は「エルギン伯爵日英条約以降のスコットランド人の日本でのデイアスポラ(離散共同体)」の基本的方向性を構想した。
①先ず従来の研究をまとめ先ず6月に『第八代エルギン伯爵と幕末日本ー日英条約と日本でのスコットランド人デイアスポラ研究』(文生書院ISBN978-4-89253-578-9)を上梓した。 ② 8月にシンガポール南洋理工大学国際会議に出張(Singapore Economic Review Conference 2015,The Abridge of the Prosperity of British Empire through the history of Lord Elgin family in 19th Centuryを報告した。大会参加者ならびに同時にSNU,NUSの研究者で私の研究に関心を持たれておる学者との意見をして有益な教示をうけた。 ③10月に静岡県川勝平太知事の招請により(静岡県韮山反射炉が認定されたことに関係し)、同県庁で「幕末明治初期の産業革命遺産とスコットランド人技師)のテーマで講演した。講演後の質疑も有益であった。 ④ 平成28年3月に、上海歴史アカデミー近現代史講座でThe Role of 8th Lord Elgin in the British Imperialsim to Asia( India, China and Japan)、同じく南京大学大学院西洋史講座で The Activity of 8th Lord elgin in Asia in late 19th Centuryを講演した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
拙著の公刊ができたことにより、今まで日本語文献になく謎とされていた第代エルギン伯爵、また彼の秘書オリファントと幕末日本との関係が明らかになり、多くの研究者からコメントや励ましをいただいた。幕末・明治日本と当時の外交関係研究者から有益な励ましをいただいた。海外研究家からも、19世紀に大英帝国の影響を受けた中国、インド、タイ、マレイシア、シンガポール等の歴史家(特にアジア歴史家会議IAHAメンバー)からの歴史情報燃えることが出来、今後の研究に役立てられる。特に2016年3月に招待を受けて講演に訪問した中国の上海歴史アカデミー(中国近現代史講座)や南京大学西洋史大学院講座の方々からも関心(つまり19世紀の中国の西欧との対外史への理解)を示されて自分なりに驚いた また昨年の世界文化遺産に「幕末明治の産業革命遺産」が認定されたことにより、数多くの地方歴史家とのコンタクトもふえ、今後、本格的に幕末明治の外国人居留地(長崎、横浜、函館、大阪・神戸)をスコットランド人移民運動の視角から研究できる客観的環境がでてきているからである。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究は、この方向性の上に展開したい。 先ず本年に予定しているのは ① ハワイ大学から研究協力の依頼があり、幕末明治に日本へ到来したスコットランド人技師・宣教師達のアメリカ経由の流れを研究・討議する予定である。 ② 本年秋に、英国グラスゴウのミッチェル図書館に、工部大学校初代都検(東京大学校長)のヘンリーダイアーの所蔵品の展示会が予定されておりこの行事の出席をかねて、スコットランドのグラスゴウ、エディンバラ大学の歴史研究舎と懇談することを考えている ③ 函館、東京、横浜、神戸:大阪、長崎にある「明治外国人居留地」研究メンバーとの交信、協力を得て歴史的実像の解明につとめた。特に横浜の開港資料館の資料は存知なので、当時の新聞・ジャーナルを調査したいと思っている。
|
Causes of Carryover |
昨年、国際会議報告がもうひとつ予定されたが、なくなったため旅費出費が抑えらた。今年は予定通りに出費できると思う
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年は7月に資料収集をかねてハワイ東西研究センターに出張する。また研究報告をしてアジアの研究者との討論も期待される また8月末か9月に英国スコットランドのグラスゴウのミッチェル図書館のヘンリーダイアー所蔵展示会に招待されることになっている。その機会に、研究報告をすると同時に、グラスゴウ、エディンバラ大学での資料閲覧の予定である
|