2016 Fiscal Year Research-status Report
グローバル市場におけるカスタマイゼーションの日米比較
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15K03736
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
遠藤 誠二 東海大学, 政治経済学部, 教授 (90609413)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マス・カスタマイゼーション / 伝統工芸品 / ファッション産業 / ジャパン・ブランド / 地方創生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、平成27年度の日米のマス・カスタマイゼーション戦略の事前調査に基づいて、より広い調査地域や産業分野、また、より深い質問内容やマス・カスタマイゼーション戦略における本質的課題(消費者との関係やサプライヤーとの関係など)に基づいた研究を推進した。同時に、平成27年度の調査に基づいて、学会発表と論文の出版などの報告も行うことができた。具体的な主な成果は以下の3点である: 1)日本企業のマス・カスタマイゼーションに関する調査は、首都圏(自転車やコンサルタントなどの企業)、関西地区(ガーデニング、伝統工芸品、自転車などの企業)、中国地区(ジーンズや観光サービスなどの企業)などの地域で行なわれた。その結果、ほとんどの企業でマス・カスタマイゼーション戦略が行われていた。そして、彼らは、スタンダードゼーション(大量生産)、マス・カスタマイゼーション(大量生産と受注生産のハイブリッド生産)、カスタマイゼーション(受注生産)の3つの生産システムを巧みに組み合わせて、非常に戦略的に企業の運営を行なっていた。 2)一方で、米国企業のマス・カスタマイゼーションに関する調査では、主に企業へのインタビューが行われたが、彼らは、生産システムにおいてマス・カスタマイゼーション戦略を行うというよりも、サービス・システム(主に顧客のデーター解析とオンライン・サービス)におけるマス・カスタマイゼーション戦略にエネルギーを投入していることがわかった。 3)研究成果の報告においては、東海大学の紀要が二本、マス・カスタマイゼーションと消費者のデーター分析の論文が二本、ヨーロッパの学会での報告が一回となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の調査は、おおむね順調に進んでいる。様々な企業の調査も順調に進み、平成27年度に続き、非常に多くのデーターを収集することができた。同時に、多くの企業や研究者のインタビューの調整に時間がかかってしまった。さらに、平成27年度よりも多くのデーターを収集したので、その分析にもかなりの時間がかかっている状況である。今後、さらなる効率的、効果的な調査・研究を進めてゆきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度では、日本企業のマス・カスタマイゼーションの導入の遅れを指摘した。しかし、平成28年度では、日本企業を調査すると、多くの企業が、直接顧客と対面するカスタマイゼーション戦略とマス・カスタマイゼーション戦略を組み合わせることで、よりキメの細かな製品とサービスを顧客に提供していることがわかった。一方、米国企業は、インターネットによりマス・カスタマイゼーション製品を主に提供しているのが現状である。
そこで、引き続き日米企業への調査を進めてゆく。さらに、日本企業が、顧客との直接対話によるカスタマイゼーション戦略を通じて、ジャパン・ブランドをいかに米国市場で今後展開してゆくのかを、米国に進出している日本企業にインタビューしていく予定である。同時に、引き続き論文の投稿と学会発表を続けて予定である。
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Research Products
(5 results)