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2016 Fiscal Year Research-status Report

わが国企業における業績測定システムを中心としたコントロールの実践効果に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15K03762
Research InstitutionOtaru University of Commerce

Principal Investigator

乙政 佐吉  小樽商科大学, 商学部, 教授 (20379514)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsマネジメント・コントロール
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、わが国企業を対象として、業績測定システムを中心としつつ、さまざまなマネジメント・コントロールの下で、①非財務指標と財務指標との関係をどのようにマネジメントしているのか、②非財務指標と財務指標との関係のマネジメントがどのようにして成果に結びつくのか、の2点を実証的に明らかにすることを目的とする。本研究の目的を達成するために、第2年度もまた、初年度に引き続いて、先行研究のレビューおよび事例研究を実施している。
研究実績としては、共著にて、「マネジメント・コントロールの分析枠組みから見た管理会計研究―文献分析による検討―」を執筆した。同論文は、査読の結果、学会誌である『原価計算研究』に掲載されている。
同論文では、本研究では、マネジメント・コントロールのとらえ方とマネジメント・コントロールに関するわが国の管理会計研究との関連性を明らかにするために、Anthony、Merchant、Simonsそれぞれによって提示されたマネジメント・コントロールのフレームワークの要点を明示した上で、マネジメント・コントロールに関連するわが国の管理会計研究の3年間の文献を対象とした文献分析(引用分析および内容分析)を実施した。
分析から、マネジメント・コントロールのとらえ方の拡張が、管理会計技法を研究する際に、さまざまな管理会計技法に対して必ずしも一様に反映されていないことを示した。具体的には、「日本的」技法や「戦略的」技法といった、1980年代後半以降に登場した技法の研究において、マネジメント・コントロールのフレームワークの変遷が十分に反映されているわけではないことを明らかにしていている。結果として、1980年代後半以降に登場した管理会計技法に対して、Anthonyのマネジメント・コントロールのフレームワークを超えた研究を進めていく余地があることを指摘している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は、わが国企業を対象として、業績測定システムを中心としつつ、さまざまなマネジメント・コントロールの下で、①非財務指標と財務指標との関係をどのようにマネジメントしているのか、②非財務指標と財務指標との関係のマネジメントがどのようにして成果に結びつくのか、の2点を実証的に明らかにすることを目的としている。
第2年度である本年度は、初年度に引き続いて、先行研究のレビューを通じた理論的枠組みおよび仮説命題の精緻化を研究活動の中心とした。特に、本研究の対象とするマネジメント・コントロールがわが国管理会計研究においてどのようにとらえられているのかについて先行研究のレビューを網羅的に実施している。
また、第2年度からは事例研究も本格的に展開している。調査企業の選定には次の4つの手順を踏んだ。①顧客満足、品質、従業員満足のような非財務指標の向上に積極的に取り組んでいる企業に関する公表資料(2次資料)を収集する。②業績測定システムを中心としたマネジメント・コントロールに関する、公表資料に基づいた対象企業の事例を記述する。③記述した事例から調査すべき質問項目を導き出す。④対象企業にインタビュー調査の依頼を行う。
現時点において3社の事例研究を行っている。ただし、当初の計画では、第2年度末に、事例研究を通じて理論的枠組みおよび検証すべき仮説命題の精緻化を終えた上で、質問票調査を実施するとしていたものの、質問票の質を高めるために次年度も事例研究を継続する。
第2年度末に質問票調査を実施できなかったとはいえ、事例研究を積み重ねながら、先行研究のレビューと合わせて、質問票調査を実施するための準備は着実に進んでいる。以上から、次年度以降の研究を進める上で、本年度はおおむね順調に研究が進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

本研究では、本研究の目的を達成するために、方法論的トライアンギュレーションを実行することを計画している。基本的な流れとしては、第1年度は、理論的枠組みおよび仮説命題の精緻化を研究活動の中心としつつ、事例研究を展開するための下準備を行う。第2年度では、事例研究を本格的に展開することを通じて、理論的枠組みおよび仮説命題の精緻化を進める。また、事例研究を実施しながら、必要なデータが質量ともに収集できたと判断した時点で、質問票の作成・発送を実行する。最終年度においては、前年度から引き続いて、仮説命題について、内的妥当性を確保しながら統計的な検証を実施する。
本年度はおおむね順調に研究が進展しているとはいえ、質問票調査の実施までには至らなかった。方法論的トライアンギュレーションを実行するためには、理論的枠組みおよび仮説命題の精緻化をさらに進めていく必要がある。
したがって、最終年度もまた、第一に、継続的に先行研究のレビューを実施する。第二に、調査対象企業の選定を継続しながら、本年度に選定した調査対象企業も含めて、引き続いて事例研究を展開する。第三に、先行研究のレビューおよび事例研究から得られたデータをもとにして、質問票調査を実施する。最後に、実証結果に関して、回答企業へのフィードバックやフォロー調査を行うとともに、国内外での学会での報告や論文の投稿を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results)

  • [Journal Article] マネジメント・コントロールの分析枠組みから見た管理会計研究―文献分析による検討―2016

    • Author(s)
      横田絵里・乙政佐吉・坂口順也・河合隆治・大西靖・妹尾剛好
    • Journal Title

      原価計算研究

      Volume: 40(2) Pages: 125-138

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant

URL: 

Published: 2018-01-16  

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