2018 Fiscal Year Annual Research Report
Global career development: Asian medical workers psychology and macro environments
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15K04035
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
浅井 亜紀子 桜美林大学, 言語学系, 教授 (10369457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 節子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60305688)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際移動 / インドネシア人 / 主観的ウェルビーイング / 経済連携協定 / 外国人看護師 / 外国人介護福祉士 / 異文化接触 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本とインドネシア両政府の経済連携協定(Economic Partnership Agreement, 以下EPA)により来日した1~4陣のインドネシア人看護師と介護福祉士を前科研と合わせ10年近く追跡した。彼らの日本体験を文化心理学の立場から検討した。マイクロ・メゾ・マクロの三次元の関係性に着目し、個々のアクターが特定の社会的文脈において、自身や状況をどう認知しどう意味づけるかを重視した。定住化には、主観的ウェルビーイング(Subjective well-being, SWB)、すなわち人生に対する情動的また認知的かつ主観的な評価(Diener, 1984) が重要であることがわかった。今までの異文化接触研究においては、ホスト文化で感じる否定的情動に焦点をあて、「ストレス―対処―適応」の枠組みから研究されることが多かったが、異文化適応という限りいつまでも「外国人」として捉えることになる。国際移動をした人をホスト社会の一員としてみるためには、ホスト社会での定住に際しては、異文化でのストレス対処を含め、どのようにしてSWBを得るかという視点が肝要である。SWBは、国際移動した人がホスト国で定住できそうかどうかを予測するめどとして使える。母国とホスト国とを公私の様々な領域で比較・評価することで肯定的・否定的情動の総和の帰結として定住化を選択している。 帰国後のキャリア選択や再入国も、SWBで説明できる。帰国者には主に3つのキャリア選択があった。インドネシアで得た看護・助産師の資格を生かす場合、日本で得た日本語や介護の知識を生かす場合、それ以外の道である。このキャリア選択にも仕事におけるやりがいや経済的満足、日本で習得した資格や技術の活用、家族生活の安定のSWBが関係している。EPAは技術移転ではなく、若者を規律訓練や日本語習得により日系企業に貢献する人材を育成する制度といえる。
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Research Products
(5 results)